“人との出会い”で旅行を変える--現地ガイドのCtoCマーケットプレイス「Meetrip」

岩本有平 (編集部)2012年09月18日 11時45分

 ダックダイブは9月18日、旅行者と現地のガイドをマッチングするCtoC向けのマーケットプレイス「Meetrip」の提供を開始した。

 Meetripは、旅行者と、その旅行先に住む現地の人々をマッチングするサービスだ。利用にはFacebookアカウントが必要となる。まず、サービスを提供する各地域について、「こういった内容のガイドができる」というユーザーが、提供できるアクティビティや時間、料金を設定し、ガイドとして登録を行う。旅行者はその中から最適なガイドを選び、料金を支払って実際に現地でガイドをしてもらうことができる。そして旅行後、ガイドをしたユーザーに対して料金が支払われる仕組みだ。料金の20%が手数料としてダックダイブに支払われる。


ダックダイブCEOで共同創業者の貴山敬氏

 当初は東京と台北に限定してサービスを提供する。すでに台北では試験的にサービスを展開しており、50人ほどのガイドが登録しているという。ガイド登録者の言語などは制限していないが、基本的には旅行者や外国文化に興味を持つ人が多いため、英語や日本語など2カ国語以上を話せるユーザーばかりだという。今後はソウルやバンコクなど、アジア圏を中心にサービスを展開し、年内10都市での提供を目指す。

 「心に残っている旅行は『人と出会う旅行』。ガイドブックだけだとストーリーはない。どうやったらそれができるかを考えた」――ダックダイブCEOで共同創業者の貴山敬氏はサービス提供のきっかけについて、このように語る。

 貴山氏は三菱商事で食品業界などへの投資を担当し、その後投資先の取締役などを務めて2011年6月にダックダイブを設立した。その一方で、プライベートでは自他共に認める「旅行マニア」なのだという。

 同氏が初めて1人で海外旅行をしたのは18歳。その際、旅先のネパールで世話になった小学校の校長先生に「実は昔日本に出稼ぎに行っており、その際世話になった日本人夫婦に手紙を渡したい」と相談されたのだという。住所は分からなかったものの電話番号だけは分かっていたことから、帰国後すぐに電話をかけ、電話に出たその夫婦の娘を経由して無事手紙を渡すことができた。貴山氏はこの経験をきっかけに、旅行の楽しさを知ったと言う。このようなガイドブックだけでは体験できない旅行を実現するためのサービスがMeetripなのだという。


ダックダイブディレクターで共同創業者の有安伸宏氏

 同社には、CtoC型の講師マーケットプレイス「Cyta.jp」を展開するコーチユナイテッド社代表取締役の有安伸宏氏が共同創業者として参画する。すでにCtoCマーケットプレイスを5年間運営してきているという有安氏は、「Cyta.jpでの失敗や苦労も知っている。仕組み作り、文化作りのノウハウや戦略の立て方はある」と語る。

 海外を見ると、AirbnbやTaskrabbit、ZaarlyといったオフラインCtoCマーケットプレイスが大型の調達を実施し、その成長を期待されている。またLCC普及でアジア圏の海外旅行が身近になり、さらにスマートフォンが台頭することで、ガイドブックを置き換える存在になる―――こんなタイミングだからこそサービスに勝機があるのだと貴山氏は語る。「グリーやディー・エヌ・エーが単機能と低価格でゲーム市場を変えたように、我々も単機能と低価格で旅行の市場を変えていきたい」(貴山氏)

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