コーチ・ユナイテッドは6月15日、趣味や習い事のプライベートコーチサービス「Cyta.jp」を正式公開した。語学や楽器など、60種類のジャンルから個人指導の講師が見つかるサービスで、受講生はカフェやレンタルスペースなど指定される会場で受講することができる。レッスン予約や受講料の支払いなどはすべてサイト上で完結できる。PCと携帯電話に対応している。
同社代表取締役の有安伸宏氏が「学びのeBayを作りたい」と語るように、このサービスは学びを中心としたマーケットプレースだ。受講生がオンライン上でマンツーマン講師をみつけてレッスンが受講できるように、講師もオンライン上で自分の技術——例えば英会話や楽器演奏など——を特技として登録できる。ただし、登録には同社の定める試験や面接をクリアしなければならない。
実はCyta.jpは長らくベータ版で運用されてきた。2009年の開始から現在までに9000人以上が体験レッスンを受講しており、1000人を超えるマンツーマンの講師が登録されている。同様のサービスに国内ではリクルートの提供する「おしえるまなべる」や海外では「betterfly」などがあるが、やはり手間のかかる講師の面接を実施して質の担保をしていることが差別化ポイントだろう。
となると問題になるのが「スケール」だ。この点について有安氏は「講師にはこだわりたかった。だからそれ以外は徹底的にオンラインで効率化した」と語る。受講生や講師とのお金のやり取り、コミュニケーションなどレッスン以外のやり取りから、講師のレッスン開催状況などすべてをオンライン化。例えば立ち上げた当初、数日かかった講師への支払いは現在では数クリックで完了するようになったそうだ。結果として事業は黒字化しているという。
有安氏の起業は二度目。一度目は19歳の時で現在ngi groupの代表でもある金子陽三氏らとアップステアーズ(現在もクロスコープとしてとして事業継続)を創業。大学卒業後にユニリーバを経て26歳で現在のコーチユナイテッドを創業。「元々学ぶのが好きで、大学の卒論でeラーニングについて研究していた」(有安氏)とずっと温めていたアイデアを形にしたという努力家だ。
「プライベートレッスンを当たり前にしたい」と有安氏は語る。資金調達乱れ飛ぶスピード重視のスタートアップ界隈の話題としては少々異色かもしれないが、2年の準備期間をへて本番公開というのは非常に日本的なサービスの立ち上げ方のようにも感じた。本格始動後は積極的にスケールを狙うという同社に注目だ。
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