「Mailinator」は、ブラウザ上で手軽に使える使い捨てメールアドレスサービスだ。メールアドレスは事前登録不要で自由な文字列を設定でき、その文字列さえ知っていればパスワードなしで誰でも受信ボックスを見られるという、徹底したオープン志向が特徴だ。
本サービスでは「適当な文字列@mailinator.com」というメールアドレスが利用できる。@以前の文字列は25文字以内で自由に設定ができ、事前に登録しておく必要すらない。他サービスではトップページへアクセスすることで任意のメールアドレスを発行するというシステムを採用しているケースが多いが、本サービスではそれすら必要なく、思いついた文字列+@mailinator.com宛にいきなりメールを送れてしまうのだ。
受信したメールはブラウザ上で表示できるのだが、この仕組みがまたユニーク。受信ボックスを表示するには、@以前の文字列だけあればよい。つまりパスワード認証の仕組みもなければ、ブラウザ側でcookieで制御する仕組みすらない。@以前の文字列さえ知っていれば、誰でも受信ボックスが見えてしまうのだ。
つまり受信メールが「ダダ漏れ」なわけだが、実際には25文字までの文字列が設定できるので、セキュリティを強化したければ、ここになるべくランダムかつ複雑な文字列を設定することになる。ただしこのメールアドレスを確実に知っている人、例えばメールの送信者はいつでも見ることができるので、そこは考慮しなくてはいけないだろう。いずれにせよ「受信メールがダダ漏れ」とみるか「自由にアドレスが設定できて閲覧も簡単」とみるかは、人によって見解が分かれそうだ。
メールの有効期限は数時間とされており、それが過ぎると自動的に削除される。保存可能な受信メールは10通まで、添付ファイルは無視される。メールは1通ごとに転送が可能だが、本文への加筆はできず、そのままフォワードする形になる。メール受信はPOP3にも対応している。
用途としては、試しにメルマガを受信してみる、特定のメールアドレスを不特定多数に参照してもらうために転送するといった、かなり限定された使い道だろうか。自分のPCが使えない環境下で、個人から送信したテキストデータをブラウザ上に表示する仕組み、と捉えたほうが使い道が広がるかもしれない。ともあれほかにないサービスであることは間違いないので、一般的な使い捨てメールサービスとの違いを把握しておけば、アイデア次第で役立てることができそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス