3000人を集めた明星和楽--「スタートアップ都市・ふくおか」宣言も

 テクノロジーとクリエイティブの祭典「明星和楽」が9月8~9日に福岡で開催された。明星和楽は“アジアの玄関口”を掲げる福岡に、アジアのテクノロジーとクリエイティブを集め、次世代のスターを発見しようという有志のプロジェクトだ。

 2011年にステージに上がった「明星(中国語で「スター」を意味する)」は50人を超えたが、2012年はさらにそれを上回る数のパフォーマーが会場を所狭しと賑わせ「昨年の倍以上、3000人を確実に超える参加者」(主催者メンバー談)が思い思いに会場を楽しんだ。

 イベントの壇上では福岡市が公式に会見を開き、市長の高島宗一郎氏から「スタートアップ都市・ふくおか」宣言が発表されるというサプライズもあった。

 「福岡は、都会なのに暮らしやすく、仕事も遊びも快適なクリエイティブな街」(高島氏)。閉塞感のある今、福岡にチャレンジする場所をつくり、起業家を育てる。同時にビジネスや海外への出口も整備を進めているという。

 実証実験として、まず福岡市が同市でのスタートアップを支援する組織としてスタートアップ・サポーターズを設立。起業家教育や人材交流、プロモーションなど「福岡でスタートアップに必要なエコシステムを作りたい」(高嶋氏)という趣旨のプロジェクトを立ち上げる。メンバーはMOVIDA JAPAN代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の孫泰蔵氏とnomad代表取締役の小笠原治氏が就任する。

 最初の具体的な取り組みとしてMOVIDA JAPANが東京で開催している起業家向けスクールを福岡市の天神地区で展開。福岡側の会場となるコワーキングスペース「Guild Cafe Costa」と東京の会場「NOMAD NEW'S BASE」をオンラインでつなぎ、東京の第一線で活躍する起業家や投資家の声をライブで福岡に伝えるなど、双方の起業家が自由につながる交流環境を作り出すという。

 「今日から幹事役として私と小笠原さんとで協議会を発足させる」(孫氏)。同氏と小笠原氏は、MOVIDA JAPANが手掛ける起業家育成プログラム「MOVIDA SCHOOL」で協力関係にあるが、そこで日々たまるノウハウをそのまま福岡にも“移植”する予定だ。

 秋口からプロジェクトをスタートさせ、起業家に必要なさまざまなプログラムを実施。「この福岡から世の中を変えるベンチャーを出す。中途半端ではない。腹を括って本気でやる」(孫氏)

 発表の会場となった明星和楽とも連携を進める。支援する先をテクノロジーに限らず、クリエイティブなど幅広く次世代を担う人材をこの福岡から輩出するつもりだ。

 さらに、英Tech Cityと協力して海外への情報発信を積極化。世界に向けて「クリエイティブ・福岡」というイメージブランディングを推し進める。

 Tech Cityは英国版シリコンバレーをつくるというプロジェクト。3000人の起業家を擁する同プログラムの投資や海外企業誘致などを推進するTony Hughes氏は、海外とのコネクションに力をいれており福岡市との連携が実現すれば、アジア圏では初の事例となるという。「米国のシリコンバレーにいなくても成功できるかどうか。Tech Cityと福岡の両方で成長している会社が手を取り合うということが重要になってくる」(Hughes氏)とした。


左からMOVIDA JAPAN代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の孫泰蔵氏、nomad代表取締役の小笠原治氏、福岡市長の高島宗一郎氏、Tech CityのTony Hughes氏

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