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メディアの進化 ~ ギルガメッシュ叙事詩からグーテンベルグ、そしてグーグルまで ~ - (page 7)

エグゼクティブブックサマリー2012年08月24日 10時00分
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「集会場」

 古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは、市民が開けた集会場で直に意思疎通を行うことができる社会が理想的な社会だと考えていました。メディアの発達、例えば、パピルス紙から羊皮紙、そして紙への発達によって、より多くの人が互いに繋がり、一般向けの情報を入手できるようになりました。また、郵便制度によって、社会はさらに広がりました。さらに、電報、ラジオ、テレビの登場によって、極めて広範囲で人や情報に接触できるようになりました。そして現在、インターネットは、世界的規模で「アリストテレスの集会場」としての役目を果たしています。

 将来、人は、目の肥えたデジタル情報消費者になるでしょう。そしてインターネットは、コンテンツを創造する場からコンテンツを配布する場になるでしょう。そのため、インターネットがいかなる進化を遂げようと魅力的なデジタル情報を作る人は成功します。反対に、郵便制度や従来の放送局、新聞や雑誌などの昔からあるメディアが権勢をふるうことはなくなります。この大規模な変革はすでに始まっています。

 例えば、パンドラやスポティファイのようなネット音楽配信サービスによって、ラジオ放送塔は不必要なものになりつつあります。また、Eメールによって、郵便制度は姿を消しつつあります。同じように、未来のデジタル開発によって、メディアは根本から変わってしまうでしょう。そして、歴史が示すように、将来、新しいメディアが社会を新しく作り変えることで、社会そのものも変革していくでしょう。文明はダイナミックに進化し、その世界に住む人々は今まで以上に繋がりを強くしていくでしょう。

 「集会場」とは、インターネット上でいう、ソーシャルメディアと同等の役割りを持つものだと思います。よってアナログで出会うかネットワークを使って出会うかの違いでしかないのです。そういう意味ではメディアの配信技術は大きく変われど、その目的は普遍であると言えます。

著者ロジャー・パリー紹介 
ロジャー・パリーは、オックスフォード大学の客員研究員です。クリア・チャネル・インターナショナル社の元CEO、および、シェークスピア・グローブトラストの会長です。

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