StarbucksとSquareの提携は、大手テクノロジ企業のGoogleでさえ成功していないことを達成する可能性がある。それは、モバイル決済をメインストリームにすることだ。
Starbucksとの提携によって、Squareは、同社の新しいモバイル決済サービス「Pay with Square」を宣伝する、人目につきやすい大きな舞台を手に入れた。その小型磁気ストライプリーダーと、小企業が迅速に決済を処理できる機能で知られている同社は、消費者にSquareをデジタルウォレットとして使ってもらうことに取り組んでいる。
Starbucksの最高経営責任者(CEO)のHoward Schultz氏は、記者との懇談の中で次のように述べた。「Starbucksの店舗は米国内のいたるところにあり、認知度を高めるには非常に効果的だ。それがSquareの宣伝手段になることを期待している」
SquareのCEOであるJack Dorsey氏も記者に対して、この提携協定を「大規模なもの」と呼び、これによって同社の「Pay with Square」サービスにより多くの企業が関心を持つだろうと述べた。
モバイル決済の領域は活発さを増しており、Google、PayPal、Visa、無線通信事業者といったさまざまな業種のプレーヤーが参入している。こういった企業は、モバイル決済の上にサービスを追加することによる好機を見いだすとともに、スマートフォンを通じて顧客とより強力な関係を構築することを期待している。
VisaとGoogleはそれぞれ自社のデジタルウォレットを、近距離無線通信(NFC)と呼ばれるテクノロジを使った専用レジでの支払いが可能なスマートフォンと組み合わせている。また、同じテクノロジを用いて全米でモバイル決済サービスを展開するために、複数の無線通信事業者によってジョイントベンチャーが設立されている。しかし、Squareのモバイル決済への取り組み方は異なる。Dorsey氏は、同社のPay with Squareを財布とみなすのではなく、金融決済から複雑な要素とテクノロジを取り去る方法とみるべきだと述べている。
Pay with Squareはあまり知られていないが、「iPhone」や「Android」のユーザー向けに提供されている便利なサービスで、商品やサービスへの支払いに伴う煩わしさを取り除くものだ。消費者はクレジットカードとアカウントをリンクさせ、店舗やレストランでタブ(勘定書)を開く。そうすれば、財布を取り出す必要はない。店舗側は消費者のスマートフォンの位置を検出し、自動的に決済する。レジでは、スクリーンに表示されるID写真と名前によって、購入者の本人確認を行える。
「支払いの仕組みが目には見えなくなることだろう。お金がどのように動くかは、顧客の視線の及ぶ範囲には現れなくなる」(Dorsey氏)
このサービスは、以前は「Card Case」として知られていたが、Squareは3月にその名称を変更している。
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