ここ1年以上にわたって、MicrosoftはMetroデザインという言葉および哲学を同社の将来的な製品デザインの中核を成すものとして宣伝してきた。しかし、筆者はここ数日、Microsoftが「Metro」という言葉の社内および社外での使用を止めはしないにせよ、減らそうとしているという話を複数の関係筋から聞いている。
何が起きているのだろうか。
筆者が話を聞いた情報筋の何人かは、Microsoftはほかの何らかの組織と著作権論争が発生する可能性があるために「Metro」という言葉の使用を控えている、と考えている(仮にそれが本当だとしても、その組織の正体は筆者には分からない)。
筆者がこの件に関してMicrosoftに尋ねてみたところ、広報担当者はこのようにMetroという言葉の使用が少なくなっている理由について、訴訟とは全く関係ないと話している(まだ訴訟に至っていない何らかの著作権論争と関係があるのか、と筆者が尋ねてみたところ、それ以上コメントすることはないという答えが返ってきた)。
広報担当者は次のように付け加えた。
「われわれは、自社製品ラインの多くを対象に製品開発サイクル期間中、Metroスタイルという言葉を開発コード名として使ってきた。発売、そして、業界との対話から広範な消費者との対話への移行が近づいてくるにつれて、われわれは製品名を使うようになる」(広報担当者)
(「Metro」スタイルが「単なる」開発コード名だったとは筆者は知らなかった)。
筆者は今週、MicrosoftがMetroという言葉の使用を控えているといううわさを耳にしたほかの何人かの人々に話を聞いた。彼らによると、Microsoftは、ユーザーを混乱させる可能性を理由に、すべての用語や概念を過剰にMetro化してしまうことを避けようとしているのかもしれないという。今から10年前、Microsoftのマーケティングチームが.NETのブランディングに少し熱心になりすぎたとき、その後で.NETという言葉を追放する動きが起こり、製品名が変更されたり、マーケティング資料が作り直されたりした。
Microsoftは、Metroのような外観だが「WinRT」ベースではなく、Metroのルックアンドフィールのエレメントを使用しているアプリ(例えば、新しい「Office 2013」アプリ )に対して、WinRTアプリケーションプログラミングコンセプトを使って構築されたアプリに言及するときに「Metroスタイル」という言葉を使用しているが、それは控えめに言っても紛らわしくて分かりにくい、と多くの人が指摘してきた。
Microsoftは「Windows 8」「Windows Phone」「Xbox Live」「Xbox Live」「Visual Studio 2012」、そして、そのほかのMicrosoftの新しい次期製品群の中心を成す、新しいタイポグラフィを基調としたより平坦かつ簡潔で、現代的なルックアンドフィールに言及するときに「Metro」という言葉を使ってきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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