「小さなありがとう」をカフェや小物などのギフトに変えて贈ることのできるサービス「giftee」を運営するギフティは8月1日、AndroidアプリがKDDIの提供する「auスマートパス」に対応したことを発表した。提供される「giftee for auスマートパス」のアプリ利用者には毎月1つの特典が与えられる。
ギフティ代表取締役社長の太田睦氏は取材の中で、ファミリーマートでの提供開始とiPhoneアプリの公開、資金調達が完了したことも明かしてくれた。
gifteeがサービスを開始したのが2011年3月。1年4カ月の時を経ていよいよ事業拡大への一歩を踏み出す。
太田氏は今回の発表にあわせてサンブリッジグループのサンブリッジグローバルベンチャーズとデジタルガレージグループのDGインキュベーションを引受先とする第三者割当増資の完了を報告。払い込みは4月に終えているという。金額は「非公開だが、現在フルタイム4人、パートタイム5人のチームが2年以上保てる資金量」と説明してくれた。ギフティは、1月にもKDDI(Open Innnovation Fund)を引受先とする1000万円の第三者割当増資を実施している。
今回の大きな話題は全国のファミリーマートで使えるようになったことだろう。太田氏が「ユーザーから最も多かったリクエストが全国で使える店舗だった」と話す通り、これまでgifteeで利用可能な店舗は東京や名古屋、京都などに点在する80店舗と都内16店舗の無印良品のみ。gifteeをもらっても、使える場所に限りがあるので、どうしても利用範囲の狭いイメージは拭えなかった。
今回開始されるのは、全国8900店舗のファミリーマートで利用可能なお買い物券の発行だ。gifteeで贈られたシリアル番号を店舗に設置してある端末「Famiポート」に入力すれば、その場でチケットが発行される。太田氏は「同様に全国で使えるチェーン系の店舗開拓も進めたい」と更なる利用範囲拡大に弾みをつけたいと語る。
iPhoneアプリも公開を始めている。gifteeを贈りたい場合は地域もしくは提携ブランド(8月1日時点ではファミリーマートと無印良品)から店舗を選択。FacebookやTwitter、メールアドレスから贈りたい先のユーザーを選択して送信する。決済はアプリ内決済ではなく、クレジットカード決済となっている。
既にgifteeのアカウントを持っているユーザーであれば、登録されているクレジットカード情報をそのまま利用可能だ。同時にもらったgifteeはMygifteeというページで管理、利用できる。
一気に駒を進めた感のあるギフティだが、背景には同社が2011年8月に採択された「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」の存在が大きいという。「通常、auスマートパスにアプリを出すだけでも難関。確実に掲載されるわけではないが、かなり後押ししてくれる」とサービス露出についてかなりの支援があったと語る。
gifteeの店舗営業についてもauのWi-Fi設置店舗を開拓しているチーム経由で営業先を紹介してもらうなど「あり得ないぐらいの手厚い支援を受けられた」(太田氏)と明かす。
指標としているユーザー数やgifteeの送信数は1年で順調に伸び、「売り上げの半分はリピーター。それが詰み上がって事業として成長を実感できている」という太田氏。今後は提携店舗の拡大に努めていくと説明する。
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