ドコモ決算、スマホ250万台で増収増益--LTEの優位性を強調

 NTTドコモは7月27日、2013年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.4%増の1兆722億8100万円、営業利益は同1.9%減の2626億2700万円、純利益は同3.5%増の1642億9800万円となった。

  • NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏

 携帯電話収入において、月々サポートやMOUの減少などの影響により音声収入が633億円減少したものの、スマートフォンの積極的な販売による利用者拡大により、パケット通信収入が399億円増加した。同日の記者会見でNTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、「年間利益目標である9000億円の達成に向けた堅調な決算」と評価する。

 なお、加藤氏は同日の決算会見で、7月25日に発生した「spモード」の障害について謝罪している。

Q1はスマホ250万台を販売--通期で1300万台目指す

 第1四半期の端末総販売数は前年同期を52万台上回る517万台で、このうち249万台がスマートフォンとなる。スマートフォンの販売数は前年同期と比べて92%増となっており、「7月27日現在で350万台を上回る販売数」(加藤氏)だという。夏モデルでは全17機種のスマートフォンとタブレットを販売する予定で、通期の目標である1300万台に向けて着実に販売数を伸ばしていきたい考えだ。

 LTEサービス「Xi」の契約数も332万と順調に増加しており、通期の目標である1000万契約に変わりはないとしている。カバーエリアについては、第1四半期の時点で約9800局の基地局を設置しカバー率は32%となっているが、期末には基地局を約2万1000局まで増設し、カバー率を70%まで上げていきたいとした。

  • スマートフォンの販売台数

  • 夏モデルのラインアップ

  • 「Xi」の契約数・エリア状況

 国内では、ソフトバンクモバイルが2012年秋以降にLTEサービスを開始すると発表。KDDIも当初予定していた2012年12月の開始を前倒しすることを発表しており、今後LTEサービスにおける競争が激化していくことが予想される。

 これについて加藤氏は、「LTEというのはシステムが変わり能力が3倍になるため、ネットワーク的にいうと1つの大きなエポックと言える。私どもはその導入を1年前に通過しており、その先行的なメリットはまだまだ薄れるものではないと思っている」とコメント。電波のチューニングのノウハウを蓄積できているという点でも、ドコモの優位性を維持できるものとした。

 同社が注力しているクラウドサービスも引き続き推進していく。音声ガイドサービス「しゃべってコンシェル」は、サービス開始から約5カ月で300万ダウンロードを突破。アクセス数も約1.3億回を記録している。6月には知識Q&A機能を追加したほか、今後は「dマーケット」を通じたEC展開も検討しているという。

 また、月額525円で5000タイトル以上が見放題の「VIDEOストア」は7月21日に200万契約を突破。「MUSICストア」や「アニメストア」のコンテンツも拡充していく。そのほか、タワーレコードやらでぃっしゅぼーやと進めるコマース事業や、オムロンヘルスケアと展開するメディカル・ヘルスケア事業など、新領域における取り組みも強化していくとした。

  • 「しゃべってコンシェル」の利用状況

  • 「dマーケット」のコンテンツを拡充

  • 新領域での取り組み(コマース事業)

 加藤氏は、第1四半期の業績について「ドコモならではの総合力をいかした競争力の強化のもと、さまざまな施策を展開してきた。その結果、パケット収入の向上、スマートフォン販売の推進、Xiサービスの展開、新領域の拡大といった課題について着実な成果をあげることができた」と評価。

 一方で、「純増数・解約数については厳しい状況が続いているが、セグメントごとの施策、家族セット割、Xiパケ・ホーダイライトなど、夏モデルの販売ラインアップと相まって改善に手応えを感じている。今後もクラウドを活用した魅力的なサービスの提供、新たな事業領域の拡大に、私のモットーであるスピード感をもってチャレンジしていきたい」と語り、年間目標である営業利益9000億円の達成に向けて努力していきたいとした。

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