nana musicは8月21日、音楽コラボレーションサービス「nana」のオープンベータ版を公開した。App StoreにてiPhoneアプリを無料でダウンロードできる。利用にはFacebookもしくはTwitterのアカウントが必要になる。
nanaは、ユーザーがiPhoneのマイクを使って録音した歌声や演奏をアップロードして、世界中のユーザーと共有できるサービス。友人やお気に入りのユーザーなどをフォローできるほか、ほかのユーザーがアップロードした音源に対してFacebookの「いいね!」同様の拍手を送ったり、コメントをつけるといったことが可能。
アップロードできる音源は最大60秒。録音した音源には、エフェクトをかけることもできる。そして最大の特徴となるのは、別のユーザーがアップロードした音源に対して自分の歌声や演奏を重ねて多重録音し、別の音源としてアップロードできることだ。
「世界中のユーザーが、非同期でセッションを楽しめる」--nana music 代表取締役CEOの文原明臣氏はnanaについてこのように語る。
学生時代から音楽に没頭していたという文原氏。社会人になってからはレーシングドライバーを経験するなどモータースポーツの世界に携わっていたが、もともとITにも興味を持っており、いつかはテクノロジーによって音楽をもっと楽しみたいという思いがあったのだという。
そして2010年にハイチ沖地震が発生。その際、世界中のアーティストが被災者支援のために発表した「We Are The World 25 For Haiti」の映像を見たことがきっかけとなり、「世界の人たちと音楽でつながるサービスを作りたい」という思いに至ったという。「より音楽を身近にできるソリューションとしてnanaを企画した。もっとみんなとセッションできたら楽しい」と文原氏は語る。
すでに一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の利用許諾を得ており、ユーザーがJASRAC管理楽曲を歌ったり演奏したりした音源のアップロードができる。公式音源として「We Are The World」の演奏音源を配信しているが、今後はカラオケ事業者などからも音源の提供を受ける予定だ。
将来的には有料でのカラオケ音源提供やボイスエフェクトの追加、録音時間の延長といったオプション機能の提供も検討する。また、特定の音楽やアーティストのファンが集まるコミュニティや、投稿した音源をTwitterやFacebookへ投稿する機能も追加していく。
サービス開始から1年以内に300万ユーザーの獲得を目標に掲げる。まずは国内に限定してアプリを提供し、9月にも米国をはじめ世界中での展開を図る。2013年にはPC版も提供する予定。
「より聞くことに重点をおいたウェブ版を用意する。また、PCで簡単に歌を編集する編集システム、打ち込み音源の投稿などが可能となる。iPhone版とPC版は歌うことに特化したものと、聞くことに特化したものなどで機能を分けていきたい。他にも、Android版も念頭においており、先進国ではない地域の人たちにも使ってもらい、音楽を通じて様々なバックボーンをもっている人たちがつながる世界をつくりたい」(文原氏)
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