アップルが新しいOS「OS X Mountain Lion」を発売した。
昨夜のうちにApp Storeで購入、寝ている間にダンロードされていたものを、今朝起きてさっそくインストールした(この原稿も「メモ」アプリの試し書きを兼ねて書いている)。インストールは極めて簡単だ(「CDやDVDディスクに入ったものを買ってきて……」と作業していたころのことがもう思い出せない)。
ある時期からほとんど心配の要らなくなった「安定感」もさらに増し、おまけにいくつかタブを表示するとすぐに大量のメモリを消費しがちだったブラウザ「Safari」の難点も心なしか緩和されているようで、ユーザーとしては「結構づくめな新バージョン」である。まして、これが新刊本1冊にほぼ等しい1700円という値段で手に入ってしまうとは……。「長生きして良かった」というような言葉さえ頭に浮かんでくる。
ただし、いざ他人様の目に触れる文章を書こうとなると、このMountain Lion、なかなか悩ましいお題でもある。
新機能の概要などは、ほとんどが2月に明らかになっていた。
また、ユーザーレビューのような記事は、今頃すでにたくさん出ているだろう。さらに、アップルの経営に関係する事柄としては、昨日の決算発表で「4~6月期のMac販売台数400万台」という話題が出ていたから、いまさら声高に言える(書ける)ものでもない。
ざっくり平均単価(売価)を1000ドルと低めに見積もっても、400万台ということは、それだけでも40億ドルということになる。ざっと3000億円超の売上といえば、普通ならそれだけでなかなかたいした事業となるところ。だが、いまのアップルにとっては、それでも売上全体のたかだか14%を占める事業に過ぎない。そういう、ある意味で驚くべき状況になっていることのほうに、むしろ目がいってしまう。
また、パソコン市場に限ってみても、今年世界で見込まれる販売台数は約3億7000万台(IDCの調査)。そのうち、Macはどう頑張っても一桁、と考えてしまうと、なんとはなしに手が止まってしまう。
PC Shipments Expected to Have Strong Second Half of 2012, Long-Term PC Growth Capped Within Single Digits, According to IDC http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS23371512
それでも、このMountain LionというOS、アップルにとっても関連する業界全体にとっても、やはり無視できない点をいくつも含んでいるものだ。
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