デジカメ「EXILIM」10周年の軌跡--それは“カメラ付きテレビ”から始まった(前編) - (page 2)

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--QV-10の発売から7年後、いよいよ現在にもつながるコンパクトデジタルカメラシリーズEXILIMの初代機が登場します。かなりのブレイクスルーモデルだったと記憶しています。当時のカメラ市場や「QV」シリーズからEXILIMシリーズへと“ブランド”を増やした理由を教えてください。

  • 「存在意義は何か?」を突き詰めた結果が「銀塩カメラの置き換えにしないためには、銀塩カメラにできないことをする」

 QV-10を出した後、おそらく30社以上がカメラ市場に参入してきました。弊社では“カメラ付きテレビ”としていた製品ですが、世の中ではあれは新しいカメラであるという評価でして、“銀塩カメラをデジタルに”という流れが急激に市場を支配します。その中で“画素数”をはじめとするスペック競争が起こり、銀塩カメラの性能に追いつけ追い越せという気運が高まります。

 しかし、我々は“デジタルなカメラ”を作りたいわけではなく、“新しいコミュニケーションツール”を作成したい。“デジタルでしか実現できない”機能や用途にこだわりすぎたために、画素数競争では後手に回りました。結果、急激にシェアを落としてしまい、我々にとって厳しい時代となりました。

“常に持ち歩く”というスタイルにマッチしたウェアラブルカメラを

 2000年になってから、このままだと事業的に厳しい。我々がデジタルカメラの業界にいる存在意義はなんだろうかと。研究開発部隊の視点でマーケットを客観的に捉え、一から、デジタル時代のコミュニケーションツールを作ってみようということになりました。その後、1年間じっくりと考え、その時の発想が、“銀塩カメラの置き換えにしないためには銀塩カメラにできないことをする”というものでした。ポイントは“形状”と“用途”という2つです。

 当時、形状という意味では、銀塩カメラに似せて作るという傾向がありました。しかしそれでは、単純に中身をデジタル化しただけになってしまう。そして、それでは用途がかわらずに、置き換えになってしまうのです。

 そこで、形状のインパクトを出そうとしました。まず、フィルムが必要ないため薄型化できます。弊社は電卓でカードサイズをやっていますので、そういったインパクトを出したい。そして、用途を変えたいという意識がありますから、銀塩カメラのような“イベントがあるから持ち出す”というのではなく、“常に持ち歩く”というスタイルにマッチしたウェアラブルカメラというのを開拓したいと、そう考えたわけです。

 カード形状のためのデザインモックを作って、“その中に全部入れるぞ”と。そのためだけのカスタム部品を全部作り、ある程度の目星が付いたとき、今までの「QV」ではないなという思いがありブランドを新規に作りました。それが、“驚くべき”を表す「エクシミウス」(ラテン語)と英語の「スリム」を合わせた造語でEXILIM。“極めて薄い”という意味です。

 その時はまだ「QV」というブランドはありましたので、スタンダード“QV”とウェアラブルな“EXILIM”という2つのブランドで開発を進めていくことになります。

今では当たり前のようにデジカメに採用されているSDカード。先駆けて導入したEXILIMの決断の背景とは。後編はこちらから


2002年6月に発売された初のEXILIM「EX-S1」

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