カシオ計算機は1月10日、スマートフォンを使った可視光通信システムを、Consumer Electronics Show(CES)に参考出品すると発表した。
可視光通信は、人間の目に見える光を点滅させることでデジタル信号を伝える通信技術。AR(拡張現実)など多くの分野で活用が期待されており、ディスプレイやLEDを備えた照明、看板などさまざまな光源を発信源にできるほか、離れた距離でも読み取れる特長や人体や電子機器に影響を与えないなどの利点がある。
会場では、スマートフォンの画面を点滅させることで可視光通信するスマートフォン同士でのコミュニケーションを展示している。
スマートフォンで写真を撮る際に相手のスマートフォンの画面をこちらに向けてもらうだけで、相手のプロフィールやメッセージを写真の中に表示させられるというもの。同時に5台からの情報を受信し、1枚の写真の中に表示可能だ。その場で全員のスマートフォンに画像と情報が共有される。また、メッセージの入った撮影画像をツイートできるTwitter連動機能もあり、撮影と同時にその人と“友達になる”などの使い方ができるとしている。
このほかに、スマートフォンのカメラを、デジタルサイネージ(電子看板)や店頭に置いたLED光源に向けると、お店や広告主などからの情報が受信できるシステムも展示。離れた場所からでも、カメラで光の点滅が認識できれば受信が可能という。10cm四方の光源を10m先から認識可能で、施設側は現在使用しているディスプレイを使い、画面上のわずかなスペースを通信用に点滅させるだけで、すぐに情報配信を始められるという。
カシオは、可視光通信技術の普及・標準化団体である可視光通信コンソーシアムに2004年の設立時より参加。CMOSやCCDなどのイメージセンサを使って信号を受信する応用技術の開発を進めてきた。イメージセンサ通信技術は、情報の発信位置が特定できる、同時に多数の信号を受信できるなどの特長を備えている。
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