米国陸軍の皆さま、未来へようこそ。
今週あなたがロンドンに居合わせたならば、最新の軍事用ウェアラブルテクノロジを身に着けた米陸軍パイロットのデモを見ることができただろう。そのテクノロジとは、ポケットに収まるサイズのポータブルコンピュータデバイスと、兵士の手首に装着できるディスプレイパネルだ。
この「Aviation Warrior」システム(それが実際の名前だ)は、押し下げ式の単眼鏡を備えたヘルメットを含み、コックピットのデジタルディスプレイに接続される。「宇宙空母ギャラクティカ」(米国のSFテレビドラマシリーズ)に登場するもののように思えるかもしれないが、これは撮影用の小道具などではない。
Raytheon Companyが開発したこのシステムは、同社によれば、米陸軍のヘリコプターパイロットが「状況認識能力」を維持するのに役立つ、重要なツールへのアクセスを提供するという。
Raytheonのテクニカルサービス部門でチーフエンジニアを務めるTodd Lovell氏は、そのテクノロジの役割の1つを簡単に説明して、「パイロットはどこに味方がいて、どこに敵がいるのかを見ることができる」と述べた。
同社は米陸軍との間で、戦場向けテクノロジの開発契約を結んでおり、現地時間7月9日に行われたファーンバラ国際航空ショーでこのウェアラブルテクノロジを公開した。このテクノロジは固定翼機にも応用できるが、陸軍が現在資金を提供しているのはヘリコプター向けの開発のみである。
Raytheonのテクニカルサービス部門の広報担当ディレクターであるKeith Strubhar氏によれば、状況認識能力とは、パイロットがコックピットにいるときに、見たり、感じたり、聞いたりできるもののことだという。軍は展開規模が小さくなりつつあり、それと同時に、パイロットに機体から離れることを求めるような、従来とは異なるミッションが増えてきており、兵士がいつでも情報にアクセスできるようにすることの重要性は高まっている。
「われわれの仕事に関して言えば、もはや国境は存在しない。第2次世界大戦の頃とは違うのだ」(Strubhar氏)
Strubhar氏によれば、同社は米陸軍が少ない費用で装備の性能を向上させるのを手助けしており、ポータブルデバイスを適応させることは、古い航空機にテクノロジを追加する1つの手段だという。
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