ギークたちは、プログラミングプロジェクトを管理し、コミュニケーションできるオンラインツール「GitHub」が大好きだ。そして今回、これまで独力で運営されてきたGitHub社が、Andreessen Horowitzから1億ドルの出資を受けることになった。これは、Andreessen Horowitzがこれまでに行った投資の中で最大の金額である。
GitHubは、ソフトウェア開発をきめ細かく管理できる「Git」ツールのオンラインインターフェースである。GitはLinus Torvalds氏によって開発された。
GitHubは、オープンソースプロジェクトを管理するために設計されたものだが、あらゆる種類のプロジェクトに利用することが可能で、実際にそのように利用されている。同サービスは、オープンソースユーザーに無料で提供されているが、商用および法人利用についてライセンスを販売することで収入を得ている。法人用プランではGitHubソフトウェア自体のライセンスを取得して、自社のサーバ上で実行することもできる。
同社の報告書によると、GitHubには300万件以上のソフトウェアレポジトリがホストされており、170万人の開発者が利用しているという。最高経営責任者(CEO)のTom Preston-Warner氏は、GitHubの有料ユーザーの数や、ソフトウェア版ではなくホスト版を利用しているユーザーの割合を明かそうとしないが、同社は有料プランの売り上げで自活してきたと述べている。
また、GitHubは「初期の頃からベンチャーキャピタルと交渉してきた」が、Preston-Warner氏は、Andreessen-Horowitzとの話がまとまるまで、提携する可能性があったどのVCも「しっくりこなかった」と述べている。
Andreessen Horowitzのパートナーで、XenSourceの元CEOであるPeter Levine氏が、GitHubの取締役会に加わることになる。Levine氏は、これまで自活してきた企業に対してAndreessen Horowitzがそれほどの大金を出資するのはなぜなのかという質問を受けて、「GitHubが行っていることの本質であるソーシャルコーディングは、モバイルアプリやオンプレミスアプリ、バックエンド、法人サービスなど、あらゆるものの開発を加速させるだろう。それは法人内、そしてパートナー間のサイロ型システムを解体する」と述べた。
開発者間、さらに企業間を横断して機能するオンラインおよびモバイルアプリをより多く構築するにつれて、開発者はもっとオープンで、サイロの取り払われた、より素晴らしいコミュニケーションとコードベースを必要とするようになる、とLevine氏は話す。GitHubはこれを提供する機能を備えているおかげで、バイラルな成長を遂げることができた、と同氏は主張する。
これまで自活してきた同企業は、Andreessen Horowitzから得た多額の資金で何をするつもりなのだろうか。Levine氏もPreston-Warner氏も自らの計画を明かそうとしないが、出資額を考えると、企業買収にあてられる可能性が高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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