英国紙The Sunday Timesの報道によると、Research In Motion(RIM)は同社のハンドセット部門をメッセージングネットワーク部門から切り離して分社化したうえで、業績の芳しくないBlackBerryハードウェアのビジネスを売却する方向で検討しているという。
この報道は情報源を明らかにしていないものの、「潜在的な買収企業」としてFacebookやAmazonの名前を挙げてもいる。また、分社化を行わず、Microsoftのような大手のIT企業に事業の大部分を売却するという選択肢もあるという。
RIMはこの報道について、コメントを控え、さまざまな戦略を検討していると繰り返すに留まっている。
RIMの関係者は米CNETに対して「RIMは既に複数のアドバイザーを雇用し、BlackBerryプラットフォームを活用するための提携やライセンス供与、戦略的なビジネスモデルの選択肢を模索している」と述べるとともに、「(最高経営責任者(CEO)である)Thorsten(Heins氏)が第4四半期収支報告の際に語っていた『株主のために価値を創出する最善の方法は、会社の状況を好転させる計画を実施することだとわれわれは確信している』という考えに変化はない」と述べている。
同社は、かつて人気を誇っていたBlackBerry端末の販売台数を以前の水準にまで回復させ、市場シェアを奪回しようと苦心しているものの、AppleとAndroid陣営が独占している業界においてその努力は実を結んでいない。同社の第4四半期収支報告書によると、1億2500万ドルの純損失を計上し、前年同期と比較した売上高も25%低下しているという。また同社は2012年5月、第1四半期に営業損失を計上する見込みだとも発表している。
RIMはこの発表のなかで、事業面や財務面でのアドバイザーとしてJ.P. MorganおよびRBC Capital Marketsと契約したことを明らかにしている。また同社は「戦略的なビジネスモデルの選択肢」を検討しているとも述べている。なおこれは、事業売却の可能性を模索しているという意味で企業がしばしば用いる表現だ。
RIMは2013会計年度末までに10億ドルの経費削減を目標として大規模なリストラを行うと発表しており、その一環として予想されていた人員削減に既に着手している。またここ数カ月の間に、主要幹部が相次いで同社を去っている。同社の首席法務顧問を12年間務めた人物も5月、グローバルセールスを担当していたロンドンの責任者が退職した1週間後に、退職を発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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