今の時点では、GoogleのAndroidプラットフォーム(Amazonの「Kindle」を含む)とAppleの「iOS」が市場を二分している。ハードウェアとソフトウェアの統合を強固に管理し続けるAppleの戦略は、財政面での同社の驚異的な成功から察せられるように、極めてうまくいっている。
GoogleはAndroidプラットフォームをパートナーに無料で提供しており、このことがいくらかの断片化と、Appleに比べると圧倒的に少ない利益につながっている。Microsoftと同様、Googleも2012年6月に自社ブランドのタブレットを発表する予定だ。Microsoftは、いくらかの旋風を巻き起こして、AppleのiOSやGoogleのAndroidに代わる妥当な選択肢を「Windows」ユーザーに提供できること、さらに開発者コミュニティーがMicrosoftのプラットフォーム向けにネイティブアプリを構築する気になってくれることを期待している。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏はSurfaceの発表の場で、「Microsoftは、Windows 8をわれわれが知っている世界向けに設計した。それは、大半のコンピュータがモバイルである世界だ」と述べた。Surfaceはとりわけ、Windowsユーザーがデスクトップから離れようとしている現状において、Windows 8を牽引する役割を果たす。
スマートフォン分野に目を向けても、Microsoftの前には現勢力を追い抜くための果てしない作業が待ち構えている。調査会社IDCの予測によると、「Windows Phone」のシェアは2012年時点では5.2%であるが、2016年には19.2%にまで伸び、Appleの「iPhone」に追いつくという。IDCはMicrosoftの成長の理由として、NokiaのWindows Phone搭載スマートフォン「Lumia」の新興市場における需要を挙げた。しかし、Microsoftのスマートフォン分野での成長にとってNokiaが鍵であるなら、Nokiaが失敗から立ち直ろうと奮闘している間に、Microsoftは運に見放されてしまうかもしれない。
MicrosoftがPCやタブレット分野のパートナーと直接的な競合となることは決してない、あるいは、同社がAppleのように、人々が列をなして購入するかもしれない製品を作り上げることはできない、と考えていた多くの人々は、Microsoftの新しいSurfaceシリーズのモバイルデバイスによって驚かされることになった。
もちろん、Surfaceの価格や在庫状況、バッテリ寿命、アプリ、そのほかの重要なデータが競合製品より劣っていた場合は、購入希望者の列は短いものになるだろう。とはいえ、Surfaceのはるか後方に、Microsoft製の携帯電話の影を見て取ることもできるのだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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