NHN Japanは5月24日、同社の運営するキュレーション・プラットフォーム「NAVER まとめ」で、企業向けのプロモーション商品「公式まとめ」の提供を開始した。第1弾として、富士重工業と共同で「SUBARU 公式まとめ」ぺージを開設している。
公式まとめは、企業のブランドや製品に関する記事やソーシャルメディアでの発言を、まとめ記事の体裁で1ページに集約できるサービス。その企業に関するツイートやウェブサイトの引用、YouTubeの動画、画像などをテーマごとにまとめて、最大8枠まで登録できるのが特徴だ。
公式まとめの作成および運用は、NAVER まとめの編集部が担当し、随時情報を更新する。
同社は、2月にNAVERまとめに新たなインセンティブ制度を導入し、サービスを本格的に事業化していくと発表。その後は、ローソンやミニストップ、プロアクティブなどとタイアップしたまとめページを展開してきた。またタイアップと言いつつも、直接的な商品PRなどではなく、ユーザーにとって有益なまとめを作ることを重視したという。
「ユーザーが自由に作ってきたところに企業のコンテンツが出ることによるネガティブな反応にはすごく慎重になった。しかし実際に始めてみると、そこについて気にする人はほとんどいなかった。ユーザーにとっては、情報が役に立ったり面白いと思うかかどうかが重要だということを実感した」――そう語るのは、NHN Japan 執行役員/CPO ウェブサービス本部 サービス企画1室 室長の島村武志氏だ。
タイアップを通じて、まとめの切り口や取り上げる情報が面白ければ、ユーザーに受け入れてもらえるという手応えを感じたと島村氏。たとえば、5月8日に公開されたミニストップのまとめページは5月23日時点で26万回以上閲覧されるなど反響も大きかったという。
一方で、タイアップのまとめページは「どこの媒体でもよくあるタイアップのまとめバージョン」(島村氏)だったこと。また、企業側にも継続的なプロモーションを行いたいというニーズがあったことから、新たに公式まとめを提供することになったという。
「キャンペーンは基本的に一過性のものなので、タッチポイントを増やしてもそのまま終わってしまうことが多い。また、少し違うタイミングにアクセスすると、キャンペーンがあったこと自体気づかれないこともある。もともとネット上にあって、これまで活用できなかった企業や商品に対する声を活用できるようになるのが公式まとめ」(島村氏)
島村氏は公式まとめを使うことで、これまで分散されていたトリプルメディア(自社メディア・マスメディア・ソーシャルメディア)の情報のハブとなる企業ページを作れるようになると話す。これにより、たとえば企業に関する検索結果などでもユーザーにより有益な情報を提供できるようになるという。
「気になった商品を(検索エンジンで)検索した人がいても、よほど興味がなければ検索結果を1ページ以上見ることはない。そうすると、1ページ目に載っている評価がすべての意見を代表しているようなイメージになってしまう」(島村氏)。もし公式まとめが検索結果の上位に表示されるようになれば、そういったリスクも回避できるようになるというわけだ。
また、最近ではFacebookページやTwitterの公式アカウントを開設する企業も増えてきているが、「発信されるのはあくまでも企業からの情報」(島村氏)であることから、マスメディアやユーザーの声を統合的に参照できる、公式まとめならではの価値を提供することで差別化できるとした。
公式まとめは、長期での契約を前提としており、料金は3カ月1000万円からとなる。同社ではNAVER まとめ単体で2012年内に5億円、2015年に30億円規模の売上目標を掲げており、公式まとめによって、より継続的な収益を確保したい考えだ。
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