ソーシャルネットワーク企業であるFacebookの株価は米国時間5月18日の新規株式公開(IPO)以降、大きく落ち込んでいるが、投資家の心理を冷え込ませた責任はFacebook自身にあるのかもしれない。
当初は、Facebookの大規模なIPOにおいて引受主幹事を務めたMorgan Stanleyが、Facebookの売上高予測の引き下げを主要顧客に伝えたことが、IPOを数日後に控えて大口投資家に二の足を踏ませた原因だと伝えられていた。しかしMorgan Stanleyが、同様に今回のIPOの引受主幹事を務めたJPMorgan ChaseやGoldman Sachsとともに、IT企業による過去最大のIPOを間近に控えた段階で売上高予測を引き下げた理由については明らかになっていなかった。
ところがここに来て、引受幹事会社による売上高予測の引き下げは、あるFacebook幹部の指示によるものだったという情報が伝わってきた。ある情報筋がBusiness InsiderのHenry Blodget氏に語ったところによると、予測の引き下げはその後、「機関投資家に対して口頭で伝えられた(中略)しかし小口投資家には伝えられなかった」という。
Business Insiderはこの幹部を特定していない。Facebookの関係者はこの報道に対するコメントを控えている。
Blodget氏が指摘しているように、こういった「選別的情報開示」は、法律で公にすることが求められている情報のみを信じてFacebookの株式を購入した小口投資家らに大きな不利益をもたらした可能性がある。以前に株式調査アナリストを務めていたBlodget氏は、こういった秘密主義は証券取引法に違反している可能性があるとも述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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