「ペイパル・マフィア」から「フェイスブック・マフィア」へ - (page 3)

 長い時間のなかでみれば、そういう結果になる可能性も無論残ってはいる。ただし、そのいっぽうで、いまのシリコンバレーには文字通り世界中から資金が流れ込んでいるのだ。

 そのことは、Facebookの投資家のなかにロシアの大富豪、Alisher Usmanov(アリシャー・ウスマノフ:ほかにTwitter、Zynga、Grouponなどにも投資)氏や、東アジアきっての大実業家の李嘉誠(Li Ka Shing:香港の長江実業)氏などの名前が連なっていることからも分かるだろう。

 また、こうしたお金の流れとリンクする形で、世界中から人材が集まり、新たにたくさんのアイデアが生まれ、そのなかから次の成功例が生み出されていく——その源をHP(ヒューレット・パッカード)とするか、それともFairchild Semiconductor(のちにIntelを立ち上げたRobert Noyce氏とGordon Moore氏、Andy Grove氏などが在籍)とするかで正確な年数は異なってくるが、過去数十年の蓄積が誠に物凄い生態系を生み出したことは間違いなかろう。

 最後に。

 人をめぐるこの一連の話の締めくくりとして、次のエピソードを紹介したい。

 それは昨年のちょうど今頃、「優秀な若者は、もう大学なんかにいっても割にあわない」「たとえうまく卒業しても、10万ドルか、あるいはそれ以上の学資ローンを背負って、長い間高い金利を支払わされるのが関の山」「Bill GatesやSteve Jobs、それにMark Zuckerbergなんかもみんな途中で辞めて、さっさと自分で会社を始めてる」などと威勢のいい啖呵を切り、「本当に優秀な10代のヤツには、10万ドル渡すから、2年間好きなことをしてみろ」といって、実際に公募で集まった志願者のなかから選んだ複数の若者に研究資金を出し、ちょっとした話題を巻き起こしていたPeter Thiel氏が、どんな心変わりがあったのか、この春学期から母校スタンフォード大の教壇に立ち、起業に関する授業を行っていると言うエピソードだ。

 TechCrunchに先日出ていた情報によると、この講義にはPayPal Mafiaの仲間であるReid Hoffman氏やMax Levchin氏、Roelof Botha(ローロフ・ボサ:ペイパル元CFO、現在はSequoia Capitalのベンチャーキャピタリストで、TumblrやMeeboなどに投資)氏のほか、Y CombinatorのPaul Graham(ポール・グレアム)氏、Roelof Botha(Sequoia Capital)氏、それにFacebookの社外取締役として共に名を連ねるMark Andreessen氏などもゲストで登壇し、学生に話をしているという。

 なんとも豪華な顔ぶれが揃ったこの講義、ひょっとしてiTunes Uなどでいずれ公開されたりしないだろうか。いまはその可能性に興味津々である(註8)。(次ページ「現象・人物の解説へ」)

註8:ピーター・ティール評価の講義

So far, those guests have included Max Levchin, Stephen Cohen, Paul Graham, Sequoia's Roelof Botha, Reid Hoffman, and, most recently, Marc Andreessen.

Marc Andreessen Visits Peter Thiel's Stanford Class To Talk Startups, How He Invests & The Future - TechCrunch

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