Flipboardが日本語版を公開--国内でもパートナー拡大へ

岩本有平 (編集部)2012年05月16日 10時20分

 Flipboardは5月16日、iPad、iPhone向けのアプリ「Flipboard」の日本語版を公開する。5月16日10時の公開予定だったが、現時点ではまだ英語版のみが公開された状態。App Storeより無料でダウンロードできるようになる予定だ。

 Flipboardは、“世界初のソーシャルマガジンアプリ”をうたうニュースアグリゲーションアプリだ。新聞や雑誌といった印刷媒体のようなインターフェースで、紙をめくるような感覚で、FacebookやTwitterをはじめとしたソーシャルメディアの情報や登録したRSSフィード、キュレーターが選んだコンテンツなどを閲覧できる。

 また、Facebookのコンテンツであれば「いいね!」、Twitterのコンテンツであればリツイートやお気に入りへの登録など、メディアにあわせてFlipboard上からアクションを取ることもできる。2012年2月までに800万件のダウンロードがなされ、月間約20億フリップ(ページをめくった数)の実績がある。

  • 日本語版の「Flipboard」

  • 各種ソーシャルメディアのアカウントを連携させることができる

印刷メディアの美しさをウェブに

 自身で起業した3D技術関連の会社をNetscapeに売却して同社で務め、その後音声コミュニケーションの会社を再び起業してマイクロソフトに売却したというFlipboard CEOのMike McCue氏。同氏は、Netscapeに在籍していた90年代半ばに初めてウェブと出会ったと語る。


Flipboard CEOのMike McCue氏

 「当時のウェブはシンプルなもので、1つのサイトが別のサイトにつながるというものだった。しかしソーシャルメディアが台頭し、個人がさまざまなウェブにつながっていくようになった。多岐にわたる情報をどうキュレーションしていくかが課題になり、そこにチャンスも生まれてきた」(McCue氏)

 McCue氏がFlipboardを提供することになった理由として、大きく3つの出来事があったと説明する。まず1つめは、さまざまなソーシャルメディアをとりまとめて1カ所で見られるようなサービスが存在しなかったことだ。そして2つめは、ウェブの世界で新聞や雑誌といった印刷メディアの表現が再現できていなかったことだという。「レイアウトやタイポグラフィも上手に考えられた記事がある。しかし美しい記事が雑誌からウェブに移されるとき、ブラウザやサイトのナビゲーションが必要となる。そして収益のためには広告も載る。製品を担当する人間として、デザインに問題があると考えた」(McCue氏)

 そして3つめとなるのがiPadの登場だ。当初、Flipboardはウェブサービスとしてリリースされる予定だったという。しかしiPadが発表されたことで、前述のレイアウトやナビゲーションの制約から解放されたソーシャルマガジンが作れると確信したという。「同じ機能をiPhoneに持たせることも重要だと思った。それもあってiPhone用のデザインも考えたし、今後はそれ以外のデバイスについても適用できると思っている」(McCue氏)。数カ月以内にもAndroid版のFlipboardも提供される見込みだという。

コンテンツパートナーを日本でも拡大

 同社では、すでに世界75カ国2000社のパブリッシャーともパートナーシップを結んでおり、各社のコンテンツをFlipboardに最適化された形で閲覧することも可能だ。

 パートナーのコンテンツはHTML5ベースで提供され、印刷媒体の「全面広告」のようにページをめくった際に全面表示される広告を入れることができる。広告に関してはパブリッシャーが印刷媒体同様に販売することが可能だ。パートナーとしてコンテンツを提供する「VANITY FAIR」では、現在映画「Snow White and the Huntsman」の広告を配信している。広告をタップすると映画の公式Twitterページに遷移し、Flipboard上で映画に関する情報や予告動画の閲覧、チケット購入、各コンテンツのリツイートなどが可能だという。

 広告売り上げについては、Flipboardとのレベニューシェアをする。レベニューの具体的な数字は非公開としたが、パブリッシャーの割合が高いという。「重要なのは、Flipboardの成功は、パブリッシャーの成功と共にあるということ」(McCue氏)

 今回の日本語版提供では、インターフェースの日本語化に加えて、日本のパートナーのコンテンツの閲覧(パートナー以外にも、日本のメディアのRSSもデフォルトで登録されている)や、日本在住のキュレーターが選んだコンテンツの閲覧が可能になる。日本では、すでに日経BP社がパートナーとなっているほか、複数社と話し合いを持っているという。また日本では、広告販売においては広告代理店とパートナーシップを結んでいくという。国内拠点の設立についても検討しているが、数カ月はかかるとした。

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