富士通は5月9日、都内で記者発表会を開催し、個人向けPC「FMV」シリーズの2012年夏モデル6シリーズ17機種を発表した。薄さ15.6mmの日本製ウルトラブックをはじめ、PCと連携したクラウドサービス、新キャラクターとして「EXILE」の起用が発表された。
ウルトラブックは14型の「LIFEBOOK UH75/H」と13.3型の「LIFEBOOK UH55/H」の2タイプが発表されている。上位のUH75/Hは“メイドインジャパン”が強調され、世界最薄という15.6mmの厚さ、約1.44kgの質量、駆動時間9.1時間を実現した。
同社の執行役員 齋藤邦彰氏は「ウルトラブックの優れたところはすべて世界一をとっている。世界最薄の15.6mm、1.1リットルの体積、ほとんどフレームがなく13インチサイズに14インチ液晶が入っている点、そして世界一美しいデザイン」とUH75/Hの特徴を紹介した。
今回の夏モデルではメイドインジャパンが強調されたモデルがあり、ノートPCの一部は「出雲モデル」、デスクトップPCの一部は「伊達モデル」として訴求する。齋藤氏は「LIFEBOOK UH75/Hは、巧みに製造できる日本の工場があるから実現できる」と説明。隙間なく部品を重ね合わせる超圧縮グリッド構造は、他国の工場では製造しにくいからだという。
一方、テレビチューナ内蔵PCの展開も進められた。「ESPRIMO FH56/HD」は、Windowsとは別に動作するテレビチューナを使ったクイックテレビ機能を搭載する。カタログ掲載では電源オフから5秒で起動となっているが、斎藤氏は「設定によっては1.5秒で立ち上がる」と説明、他社のテレビ機能に負けていないことを強調した。1.5秒は最短値で、動作保証のできる値はあくまで「5秒」。カタログなどでは今後も起動時間は「5秒」として展開するという。
そのほかのラインナップの特徴は、すでに菌の抑制効果が期待される「ナノイー」ユニット(パナソニックが開発)を搭載したモデルをノートPCにも展開、「LIFEBOOK AH78/HA」に搭載した。
節電機能では、普及モデルの「LIFEBOOK AH」シリーズ用にBluetooth経由で消費電力を計測できる電源プラグ「F-PLUG」を用意した。同社直販サイト「WEB MART」のみで扱い、本体オプションで提供、F-PLUGに接続した機器の電力消費を管理できる。
F-PLUGは温度や湿度、照度も計測できるので、組み合わせて電力消費の見える化が進められる。当面はLIFEBOOK AHシリーズ用の専用オプションとして展開し、PC本体に2個付属させてプラス1万円程度の価格を予定している。
今回は「My Cloud」も発表された。サービス全体のコンセプトは発表されたが、夏モデル発売時には、いわゆるクラウドサービスの実施には至らず、ローカルのHDDやSSDに貯めたデータを活用する「My Cloud-P」の開始にとどまる。クラウドサービスとなる「My Cloud-S」は今秋のサービス開始予定となる。料金などは未定。
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