リプレックスと千趣会の100%子会社千趣会イイハナは12月1日、サービスの連携を発表した。リプレックスのオンライン年賀状サービス「ウェブポ」の住所録を利用して、千趣会イイハナの運営するフラワーギフトサービス「イイハナ・ドットコム」を利用できる。
12月1日より、ウェブポを利用して年賀状を送付した際に、イイハナ・ドットコムへのリンクが表示される。リンク先にアクセスすると、送付先の情報を手動で入力することなく、ウェブポの住所録からユーザーを選択するだけでフラワーギフトを利用できるようになる。イイハナ・ドットコムにアクセスした際も同様で、送付先の選択時にウェブポにログインすれば、その住所録を利用できる。
通常、ECサイトで商品を購入する場合、購入者自身の情報や送付先の氏名、住所などの情報を入力する必要がある。ECサイトのほとんどは、ユーザーにIDを発行しており、一度情報を入力すれば、今後はIDとパスワードだけで情報を自動入力できる仕組みがあるものの、最初の1回は必ず入力の手間がかかることになる。またギフトサービスなどでは送付先ごとに情報の入力が必要になる。
こういった手間がECサイトのコンバージョンレートを下げる原因にもなるため、情報入力を商品購入のフローのどのタイミングにするか、一度入力した情報をいかに保持するかといったことに苦心するECサイトは多い。
今回のサービスでは、ウェブポで持っている住所録を、外部サービスであるイイハナ・ドットコムで利用することによって、ユーザーの入力の手間を省いている。これによって「利用ユーザーの数は分からないが、コンバージョンレートは(手間がかからず)高くなるのではないか」とリプレックス代表取締役の直野典彦氏は語る。
外部サービスでの住所録の利用を実現したのが、同社が持つ「SecuTect」と呼ぶ技術だ。この技術を利用すると、各種サービスで持つソーシャルグラフや住所録といった情報を暗号化し、リプレックス自身も情報に触れない形でほかのサービスに渡すことができる。
リプレックスではソーシャルグラフを持つサービスを「Social Graph Provider(GP)」(今回の場合はウェブポ)、ソーシャルグラフを利用するサービスを「Social Graph Consumer(GC)」(今回の場合はイイハナ・ドットコム)と定義する。今後はGP、GCともに拡大させることで、各種のソーシャルグラフをそのまま別サービスで利用できるという仕組みを構築していく。これによってGPは(ソーシャルグラフという)人付きの送客ができ、それに対してアフィリエイトの様な形でGCから報酬を得るといった仕組みができると期待を寄せる。すでに連携の仕組みに関して複数の特許を出願しており、一部は成立済みだという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」