logo

講談社がユーザーと共同コンテンツ制作する「プロジェクト・アマテラス」--あの人気漫画も復活へ

岩本有平 (編集部)2012年04月23日 16時55分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 講談社は4月23日、次世代共同制作子リューション「プロジェクト・アマテラス」を開始した。正式オープンは4月25日としているが、すでにサイトは閲覧できる状態にある。

 プロジェクト・アマテラスは、インターネットを通じてユーザー参加型のコンテンツ制作を進めるプロジェクト。サイト構築はチームラボが担当した。

 講談社側で「今まで居なかったタイプの新人を募集する」「イメージキャラクターを作りたい」といったプロジェクトを提案し、ユーザーはそれを応援したり、プロジェクトで求められるコンテンツを投稿したりできる仕組みを用意する。そして、ユーザーの意見を反映しつつ、電子書籍化などのプロジェクトのゴールを目指す。「これまでのコンテンツは編集者が発掘し、発信してきた。いわゆる“デジタル”な中で、本当にそんな形だけでいいのか。もっとダイナミックな届け方があるのではないかと考えた」(講談社取締役の大竹永介氏)

 プロジェクト・アマテラスで講談社が目指すのは、(1)今まで出版社が窓口を持っていなかった才能を多角的に発掘する、(2)ユーザー参加型のデジタルコンテンツを作る、(3)新たなプロモーション手法を開発していく――の3点だ。

 プロジェクトを担当する講談社社長室担当部長新事業プロジェクト部長の唐木厚氏は、「これまで長い間、コミックや小説などを公募で発掘してきた。それだけでは不十分と強く感じている。小説投稿サイトなどを見ると『こういうものがなぜ新人賞に来てくれないのか』と感じることがある。何より変わるのは編集者と言われる役割を担ってきた人間。作品だけでなく、作品作りの環境を取り巻く才能も発掘していく」と意気込みを語る。また、プロジェクト・アマテラスのサイトでは、投稿の機能を用意し、ユーザーからのコンテンツの投稿を促すが、「作品を作る人だけでなく、コメントやリクエストする方も作品作りに参加する人と思って欲しい。応援も含めて創作活動」と広くユーザーの参加を求めた。

初期プロジェクトは人気小説の電子書籍化や人気漫画の復活など

  • 90年代に人気を博した「MMR マガジンミステリー調査班」の復活プロジェクトも

 現時点でサイト上に公開されたプロジェクトは14件。その中には、作家の京極夏彦氏のデビュー作「姑獲鳥の夏」のテキストデータを全文公開し、新しい電子書籍の形を提案する「プロジェクト『姑獲鳥の夏』」や、少年マガジンで1990年代に不定期連載された人気漫画「MMR マガジンミステリー調査班」を復活させる「なんだって――!! MMR復活プロジェクト(予告)」、小説の一番読ませたい部分を8000字以内で切り取って投稿し、ユーザーや編集者の反応をもとに小説家を目指す新人賞「『ワルプルギス賞』プロジェクト」などが並ぶ。

 今後2~3カ月でプロジェクト数を30件程度まで増やし、当面は50件程度のプロジェクトが進行する形を取るとしている。プロジェクトの期限については、最短3カ月以内、長くても2年ほどを想定。ユーザーの反応によっては、プロジェクト終了後に第2期という形で継続させることも検討する。

 当初は、講談社社内での公募や関係者経由のプロジェクトを掲載する。「出版社も変わらないと行けない時期。そのためには新しいスキルが必要。プロジェクトは社員から公募し、その社員に任せる。部署の垣根を越えた出版社としての新しい挑戦」(唐木氏)。今後は社外とのタイアッププロジェクトなども展開を進める。また、ユーザーがプロジェクトを掲載できる仕組みも将来的に検討していく。

 なおプロジェクト名称は天照大神の神話からとった。「天の岩戸の話のように、隠れている才能に出てきて欲しい」(唐木氏)


左から講談社社長室担当部長新事業プロジェクト部長の唐木厚氏、講談社取締役の大竹永介氏、チームラボ取締役の堺大輔氏

イベントのお知らせ

「AI時代の新ビジネスコミュニケーション」~CNET Japan Live 2018

AIのビジネス活用事例を多数紹介 2月27日、28日開催

-PR-企画特集