柔軟な共有設定ができるオンラインストレージ「Box for iPhone and iPad」

 「Box for iPhone and iPad」は、オンラインストレージ「Box.net」をiPhone/iPadから利用するためのアプリだ。クラウド上にアップロードされているファイルを表示したり、ファイルおよびフォルダを相手に参照してもらうために共有設定を行ったりと、PC上とほぼ同様の操作が行えるのが特徴だ。

  • オンラインストレージとしての仕様は「Box.net」に依存しており、Personalコースでは5Gバイトのストレージ容量が無料で利用できる

 最近ではスマートフォンからオンラインストレージを利用するためのアプリはさして珍しくないが、PC上では問題なく行える「ファイルを共有する」「フォルダを作る」などの基本操作がスマートフォンからは行えない場合がある。写真の閲覧機能に強みがあったり、あるいは音楽のストリーミング再生に特化していたりと、スマートフォンならではの特徴付けがなされている一方、思わぬ操作メニューが欠けていて出先で困ることも少なくない。

 そんな中で本アプリは、PCでできる基本操作をそのままスマートフォンで行うことを前提にした設計が特徴だ。写真アップロードなど、スマートフォンならではの機能も用意されてはいるのだが、それよりもデスクトップ環境を外出先に持ち出すことを主眼に置いており、PCとの機能差で戸惑うことも少ない。

  • ホーム画面。アップロード済みのファイルおよびフォルダが並ぶ。なおPCからのアクセス時は日本語表示が可能だが、本アプリは英語表示

 具体的には、フォルダおよびファイルの共有機能が挙げられる。スマートフォンから共有設定が行えるアプリでも、ファイル単位での共有、フォルダごとの共有の両方をサポートするケースはあまり多くない。Box for iPhone and iPadでは個々のファイルだけでなく、ファイルを格納しているフォルダごと共有設定を行うことができるので、状況に応じた使い分けが可能だ。ファイルがひとつだけならファイル単位の共有、ファイルが複数だったり必要なファイルを相手に選ばせるのであればフォルダごと共有を行い、そのURLを相手にメールすれば済むわけだ。

 その一方、フォルダ内の何枚もの写真をフリックしながらフォトビューアのように閲覧したり、音楽ファイルを連続再生する機能はない。動画をダウンロードして外部プレーヤーで再生することも可能だが、1ファイルあたり25Mバイト(Personalコースの場合)という容量制限があるので、本格的な視聴には適さない。こうしたマルチメディア用途であれば、別のオンラインストレージサービスを用いたほうがよいだろう。オフィス用途を中心に、PCでの使い勝手をスマホでも再現したい人向けのサービスだと言えそうだ。

  • ファイルの種類に応じたアイコンもしくはサムネイルが表示される。ちなみにこれは画像ファイルの例だが、他のアプリのようにサムネイルをタイル状に敷き詰めるなどの表示オプションはなく、リスト表示のみ

  • ファイルはスターやコメントをつけたり、ほかのアプリで開いたり、共有設定をすることが可能

  • ワード文書をプレビュー表示したところ。ほかのアプリで開くこともできる

  • ファイル単位はもちろん、フォルダごと共有設定を行うことも可能

  • 共有設定したファイルもしくはフォルダのURLを相手に送ることが可能。メッセージも添付できる

  • 音楽ファイルはストリーミング再生こそ可能だが、連続再生などの機能はなく、曲名などの情報も表示されない

  • 動画ファイルはいったんダウンロードしたあと別アプリを用いて再生する。ファイルサイズが大きいと容量制限にかかりやすいので注意

  • 撮影した写真をアップロードする機能も用意されている。最新版ではDropboxなどと同様、複数ファイルの同時アップロードに対応した

>>Box for iPhone and iPadのダウンロードはこちらから

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