動きの速いデジタル時代にあって、ユーザーが納得のいくレベルでプライバシーを保護し続けていくことは、難しくなっている。
The Wall Street Journal上に「Selling You on Facebook(あなたはFacebook上で売り買いされている)」というタイトルの記事(閲覧するには購読手続きが必要)が掲載されたせいもあり、ユーザーが自らの個人情報をどの程度コントロールできているのかについて、再び熱い論争が巻き起こっている。この記事では、アプリケーションというもののこれまでの進化を説明した後、Facebook上で提供されているゲームやクイズといった、情報を共有するタイプのアプリケーションが「ユーザーの個人情報を大量に収集」しており、そういったアプリケーションのなかにはFacebookのポリシーに違反しているものもあると伝えている。
Wall Street JournalがFacebookにおける人気アプリケーションを100個調査したところによると、一部のアプリケーションは、アプリケーションを利用しているユーザーのみならず、彼らの友達の電子メールアドレスや現在位置、性的嗜好をはじめとするさまざまな個人情報を収集しているという。
同記事では、個人情報を収集するために恥知らずな、というか子どもじみた方法を用いるアプリケーション(例えばクイズとして「あなたの友達のおしりはキュートですか?」といった質問を投げかけるアプリ)を紹介する一方、Facebookアプリケーションはユーザーに隠れて個人情報を収集しているわけではないということについて10段落を割いて説明している。
アプリケーションのダウンロード時には、該当アプリケーションの動作に必要となるデータが具体的にユーザーに提示され、ユーザーからの許可を得るようになっている。またFacebookのポリシーでは既に、Facebook向けアプリケーションを開発するサードパーティーに対して、どのユーザープロフィール(写真や、友達に関する情報、基本的な公開情報など)にアクセスするかについて明示するよう求めている。
TechCrunchの記者であり、Facebookに詳しいJosh Constine氏は、ユーザーに対しては、個人情報を提供する見返りとして、近くにあるレストランに関する情報や、近々開催されるコンサートの情報、地元のお得情報などが与えられていると指摘している。
本当に懸念すべきなのは、ユーザーが知らぬ間に公開してしまいがちな個人情報の量と、公開されている情報をユーザーの許可なく利用する、Girls Around Meといった怪しいアプリケーションの存在だと言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」