求めるのは集中力の高いチーム--Open Network Labの取り組み - (page 2)

 5%は必ずOnlabとして所有することになっています。ただ所有の方法はフレキシブルです。共同創業という形でもいいし、旧株の移動でもいい。ストックオプションで5%渡してもらってもかまわない。Onlabには参加したときに提供する100万円という金額があるのですが、それを出資という形にするのか、それとも別の形にするのか、受け取り方はそれぞれ決めてもらいます。

 出資の際には次のラウンドをしっかり考えるのも大切なことです。たとえば単純に5%の株を100万円で出資すれば時価総額は2000万円になる。その評価が次のラウンドに影響するかどうか、いつも起業家の側で考えている。あと株はその企業がイグジットを果たす最後まで持つのがポリシー。もちろん売るタイミングがあればそういうこともあるかもしれないですが。

 それと種類株を完全に否定する訳じゃないですが、起業家にとってハンデになる場合があります。そういう条項を入れてくる投資家がいるのは事実です。メイクセンスする種類株もあるし投資家のリスクを低くするのはいいけど、自分達は普通株でのやり取りをベースにしています。

--最後まで株を保有する場合、キャピタルゲインが発生するまで時間がかかる場合があります。

 ネットプライスドットコム、カカクコム、デジタルガレージという資本力のある会社がバックにいる事が自分達の強みです。もちろんキャピタルゲインを求めるけど、それも焦ったりはしません。Y Combinatorをみていると創業時(2005年)からビリオンダラーカンパニーが出るまで6年程かかっています。

 正直、資金を莫大に集めるファンド形式でこの支援事業をするのは難しい気がしています。持ち株の比率を追求するか、早く売らないといけなくなって長期の保有が難しくなる。自分達が株式会社にしているのはイベントや他のビジネスモデルも考えているからです。

--このプログラムを卒業したあとの支援はどのようなことをやってますか

 基本的に紹介ベースですね。この会社は大企業から出資を受けた方がいいという場合はそういった会社に声をかけている。デジタルガレージが追加出資するケースも多いですね。

--現在第5期のメンバーを募集中です。彼らには何を期待していますか。

 本当にフォーカスが高い起業家を求めたいと思っています。集中力の高い人。あとチームワークがいいのは、技術者がCEO的な役割を果たしている場合。経営者は技術者と同じレベルで話ができるほうがいい。エンジニアを(経営陣以外で)雇うというのは問題外。たとえばOnlabでは、チームに技術者がいなければ入れなかったりします。

 (Onlabの拡大は)自分が思っていたよりもずっと早く進んでいます。10年かかるとおもっていたけど、こればっかりはタイミングですね。


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