シリコンバレーを拠点とするAdobe Systemsは米国時間3月28日、「Flash Player 11.2」をリリースした。また、Adobeはこれに伴い、同ブラウザプラグインを同社にとって直接的な収益源にする計画である。
Adobeはこれまで、「Flash Pro」などの開発ツールを使用するプログラマーらに課金していた。しかし、Adobeは今回、「Flash Player」の新しいバージョンにおけるプレミアム機能を使用し、かつ、8月1日以降にリリースされるすべてのゲームについて、そのプログラマーらに課金する予定である。
より具体的には、Adobeは28日、開発者らに対し、アプリケーションの純収益が5万ドルを超える場合に9%をプレミアム機能の使用料として徴収すると発表した。プレミアム機能とは、ハードウェアアクセラレーションを採用するグラフィックス向けの「Stage 3D」と、CまたはC++で既に記述されているゲームをより適切に変換するためのドメインメモリである。
ただし、プログラマーが課金されずにすむ注目すべき状況が2つ存在する。1つめは、Adobeが、8月1日より前にリリースされたソフトウェアを使用する任意のアプリケーションに対し、ロイヤルティなしのライセンスを提供することである。2つめに、28日にリリースされたソフトウェア「AIR 3.2」の機能を無償で使用することができる。AIR 3.2を使用することにより、「Flash」ゲームを「iOS」または「Android」向けのスタンドアロンアプリケーションとしてパッケージ化することができる。また、単にブラウザでFlashを使用するだけの一般ユーザーに対しては、「Flash Player」がこれまで通り無償で提供される。
Flash Playerの機能をこれまで当然のように無償で利用してきたプログラマーは、支払う使用料がFlashの改良につながると考えて納得してほしいと、少なくともAdobeは考えている。AdobeのEmmy Huang氏は、今回の動きについて次のように説明した。
この料金体系を導入したのは、インスピレーションに優れた独創的なゲームの開発につながることの多い、革新や実験のようなものを促進するためである。また、これによってわれわれも、Flash技術における革新に投資し、それを支援することができるようになる。それは、Adobe自体のツールだけでなく、人気の高いゲームミドルウェアおよび開発ツールのエコシステムに恩恵をもたらすことになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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