Facebookが日本向けのマーケティングイベント--国内月間ユーザーは1000万人に - (page 2)

岩本有平 (編集部)2012年03月16日 18時02分

 日本での展開もいよいよ本格化する。Facebook 日本担当グロースマネージャーの児玉太郎氏は、同社の月間アクティブユーザー(PC、モバイルなどいずれかのデバイスでログインしたユーザー)が1000万人を超えたことを発表した。

 同社の日本オフィスは2010年にローンチした。当初、国内の多くの携帯電話ではFacebookにアクセスしても、ログインすらできない端末がほとんど。運良くログインしても文字化けだらけ。「よくまあこの状態で日本語ローンチしたと言ったものだった」と児玉氏は振り返る。


Facebook 日本担当グロースマネージャーの児玉太郎氏

 そこからFacebookの携帯電話対応が始まったという。日本での独自開発を進めると、本社の仕様変更でサービスが動かなくなる懸念もあるため、開発手法も議論しながら、数カ月かけて実現したという。

 また、複数言語での名前登録機能も日本で開発した。名前の処理はFacebookの根幹。さまざまなエンジニアと調整してやっと実現したという。日本語での表示を実現して以降、英語圏以外の各国言語で名前の表示が可能になった。さらには東日本大震災を受けて、災害用掲示板も提供した。

 Facebookが日本に参入した当初は、mixiやGREEなど、匿名で利用できるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)がほとんど。「実名制のSNSは定着しない」と言われてきたとし、「日本チームで一度だけ匿名機能について真剣に議論したこともあった。だが実名だからこそ友達が見つかり、実生活が拡張される。Facebookのビジョンから足を踏み外して成長しても意味がないとなった」(児玉氏)という。そして2年が過ぎた結果、月間1000万ユーザーが利用するサービスに成長したという。Facebookの利用が広がるきっかけは国ごとに異なるとのことだが、日本では多くの企業、ブランドがコミュニケーションツールとして使ったことが契機になったと分析する。

  • 月間アクティブユーザーは1000万人に

 今後は、現在シンガポールで行われている広告関連業務などを東京のオフィスでも展開する。日本でもスタッフを採用し、マーケティングやセールス、パートナー向けの施策を強化していくという。

 また、マーケティング情報を日本語で発信するFacebookページ「Facebook Marketing Solutions Japan」も開設。「情報を届けるだけでなく、フィードバックの場としても運用する」(児玉氏)。エンジニアを集めての開発イベント、マーケーター向けの実践的なイベントなども積極的に開催していく。

 積極的に日本にフォーカスしているようにも思えるFacebook。Johnson氏は、世界をオープンにつなげるという同社のミッションのためには、日本だけにフォーカスしている訳でないと語る。その上で、「大震災からの復興や高齢化などがあるが、Facebookがやろうとしていることに関連があり興味がある」とした。

 米国では、一部の企業がFacebookを使ったECから撤退したという報道があり、一方で国内ではSNS「mixi」が間もなくソーシャルコマースを展開するとしている。これらの動きに対してJohnson氏は、具体的な事例は知らないとした上で「Facebookはプラットフォーム。世界をオープンにつなげ、ブランドとユーザーをつなげる。ブランドがどう使うかは彼ら次第だが、エンゲージメントに時間を割き、ブランドを訴求し、広告で増幅させていくのが成功する人。ブランドの個性や達成したい形でやらなければならない」とコメントした。

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