1月に登場したauのGALAXY SIIシリーズ「GALAXY SII WiMAX(ISW11SC)」といえば、WiMAXの高速通信と高い処理性能が目立つ。しかし、GALAXY SII WiMAXの魅力はほかにもある。今回は、「NFC」や「WiMAXテザリング」の活用法をお伝えする。
GALAXY SII WiMAXに搭載されるNFCはNear Field Communicationの略であり、近距離無線通信のひとつ。国内で言えばEdyやSuicaなどが採用する「Felica」の上位互換の規格でもある。わかりやすく言えば「おサイフケータイ」の国際版と考えてしまってもよいだろう。
現時点で対応するサービスは非常に少なく、おサイフケータイのように電車やバスに乗るなど電子マネー代わりになるのはもう少し先になる見込みだ。しかし、今後の広がりが期待できる近距離無線通信規格であることに違いはなく、気づいたら街中NFCだらけになっている、ということも考えられる。
たとえば、2010年から2011年3月末まで東京・銀座で行った「東京ユビキタス計画・銀座」の実証実験では、大通りに面した電柱などにICチップ入りのプレートが貼られ、専用端末を近づけるとその場所の情報がわかるという実験を行った。この実験では貸し出された専用端末でしか読み取りができないが、規格自体はNFCを採用していた。個人が持っているGALAXY S2 WiMAXなどをかざすことで情報を取得できるようにするのも難しくないだろう。
この実験は、海外をはじめ他のエリアから銀座に遊びに来る人を想定にしたものだが、この仕組みが海外や日本の他の都市にも波及することも考えられる。NFC対応のスマートフォンを持ち歩くことで、海外旅行中に街でスポット情報を手軽に得られるようになるかもしれない。
また、NFCは現在のおサイフケータイのFelicaとまったく別のものではない。上位互換なので共通したサービスが提供されたり、NFCもそのまま利用できるようになる可能性もある。特に最近開催されるNFCの実験イベントは、NFC/Felicaのどちらでも利用できることがほとんどだ。
さて、NFCがさまざまな可能性を秘めているといっても、今すぐNFCを使える実用的なサービスはないに等しい。買い物をしたり電車やバスに乗ったりできるようになるのはさらに先かもしれない。
そんな今でも、GALAXY S2 WiMAXのNFCモジュールを使ってできることはある。
たとえばFelicaと互換性があることから、GALAXY S2 WiMAXに搭載している「NFCタグリーダー」を使ってSuicaやEdyの残高を確認できる。Suicaに限っては、専用の読み取りアプリまで登場している。
方法は、SuicaやEdyなどのカードを近づけて、プリインストールアプリの「NFCタグリーダー」を選ぶだけだ。NFCのアンテナは背面のカメラの下にあり、若干左に寄っている。ここに合わせてカードを近づける。試した限りでは、カードを読み取る場所は意外に広くないため、読み取りやすいカードとの位置関係をよく確認しておくべきと感じた。そして、駅の改札口におサイフケータイを近づけたときのように一瞬で反応するのとは違い、ワンテンポ遅れて表示される。
単体のカードはもちろんだが、おサイフケータイ対応のケータイ電話やスマートフォンを背中合わせすると残高を確認することもできる。その場合はおサイフケータイのマークとNFCのアンテナの位置を合わせればよい。また、おサイフケータイの場合は複数のサービスをインストールしている場合もあるが、矢印をタッチすると切り替えて確認できるようになっている。
始まったばかりのNFCだが、今後NFC対応サービスが増えた場合はGoogle Play(旧Androidマーケット)からアプリを追加インストールすることで対応する見込みだ。NFCは現時点ではなかなか実用的にはならないが、普及の兆しが見え始めれば対応サービスが一気に登場することも考えられる。
今後、どれだけNFCが普及するか楽しみであるが、対応サービスが登場すればすぐ使うことができるのもこのGALAXY S2 WiMAXを買うメリットでもある。
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