新しい価値を提供したい人の“きっかけづくり”の場に育てる--CAMPFIRE石田氏 - (page 2)

 前職で立ち上げた「農力村」(現在は石田氏の会社であるAMEが運営)というサービスがきっかけです。家入がブログで紹介してくれたのがきっかけで、「ありがとうございます」とコメントしたらメールをくれて、会うことになりました。2009年の3月頃の話です。

 「クラウドファンディングをやろう」と決めたのがその出会いから1年後。会社を作って立ち上げたほうがより強く責任感も持てるし、集中ができると思ってはいました。ただ、会社の辞め方も新しい会社の作り方も分からないし、どうしようかと迷っていました。それで一緒にやってくれる人を探していたら、ある日、Twitterに家入が「(マイクロファイナンスサービスの)Kivaのことが好きだ」って書いてて。すぐにDMで「これやりませんか」と企画について送りました。

 その日にON THE CORNER(家入氏の会社が運営する東京・渋谷のカフェ)で会うことになって、話して30秒ぐらいで会社を作ることになりました。もともといた会社にもその日に退職届けを出しました。2010年の12月のことで、2011年1月には会社ができている、そんなスピード感です。

--ローンチまでに苦労したことはありますか。

 大変だった事はありません。ですが震災の影響は大きかった。開発もほぼ終盤で、最終調整をしていたのが2011年の3月。プロジェクトの候補も進んでいたんです。そこへあの大きな災害が起こった。ですがそこで動きはじめたんです。「小額を寄付する」という文化が。

 人々は現地に直接支援をしようと寄付が始まりました。JustGivingや共同購入クーポンでのチャリティなどを通じて小額の寄付が大きな支援金になったのは記憶に新しいと思います。僕らも沢山お話をいただきました。

--その後6月にサービスを公開しました。また最近ではCerevoとの提携などもありました。順調にプロジェクトを成立させながら次はどのような未来を描いてますか。

 Cerevo DASHの話もありますが、OEMやASPといったシステム面でなく、あくまでコンテンツでの提携です。今後はメディアとも組んでいければと考えています。

 CAMPFIREは世の中に新しい価値を提供したい人の“きっかけづくり”の場です。彼らの後押しに必要なのはもちろんお金ですが、それだけではなくて、プロモーションも一緒にできるのが特徴です。時流に乗っているプロジェクト――たとえばコワーキングスペースのプロジェクト――がアップされると、メディアからの問い合わせがやっぱり増える。そうやって世の中に新しい「価値」と「流れ」を創造しているように思えます。

 プラットフォームで最も大切な要素は、掲載されたプロジェクトが最大限のバリューを生めるかどうか。だからそれを細分化して、その人は過去にそういうプロジェクトをやったことがあるかとか、プラットフォームのユーザー層にはどういった見せ方が刺さるか、そういう複合的な要素を検証して総合的にお金が集まるかどうかをフィードバックしています。まったく新しい、世の中にないものを出そうとしている人たちって、いい意味で切羽詰まっているんですよね。だから応援したい。結果を出すことがプラットフォームとしての存在意義なんです。

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