Appleは3月13日、モバイル広告「iAd(アイアド)」のiPad版を日本で提供開始した。第1弾として、ダノンウォーターズオブジャパンが展開するミネラルウォーターブランド「evian(エビアン)」が、同日よりキャンペーンを実施している。
iAdは、Appleが2010年7月に米国で開始したiOS向けのモバイル広告。iOSが持つスワイプやシェイクなどの機能を活用した直感的な操作と、HTML5を採用したリッチな表現ができるのが特長だ。
日本でも2011年8月30日にトヨタ自動車が開始したキャンペーンを皮切りに、キリンビール、レッドブルジャパン、JR東海、ワーナー エンターテイメント ジャパンなど、これまで5社がiAdを使ったiPhone向けのキャンペーンを展開している。
エビアンが新たに開始したキャンペーンでは、ローラースケートで踊る赤ちゃんのテレビCMが好評だった「Live young」をiPad向けに展開。赤ちゃんをデザインしたTシャツを核に“ベイビーインサイド(誰もが自分の中にはベイビーがある)”というテーマのもと、若々しく生きる(Live young)ことの大切さを伝えていく。
エビアンでは、グローバルにキャンペーンを展開しており、2011年末にフランスでiPhoneとiPadを使った同キャンペーンを試験的に実施したという。
ダノンウォーターズオブジャパン マーケティング部シニアメディアマネージャの小室武史氏は、「海外では非常にパフォーマンスが良かったという結果を聞いた。日本でもテストの意味合いも含めてチャレンジしてみることにした」とiAdを展開するにいたった経緯を話す。
また、iPhoneではなくiPadを選んだことについては、「画面が大きい方がリッチな表現がしやすく、コミュニケーションもクリアに伝わるだろうということ。それと自宅のリビングなど、ある程度落ち着いた環境で見てもらえる媒体だということ。日本で初めてiPad版を導入できるということで、タイミング的にも非常に良かった」(小室氏)と説明する。
エビアンのiPad向けiAdでは、最新CM「ベイビーインサイド」を視聴できるほか、出題された問題に該当する写真をタップする「ベイビーダンス記憶ゲーム」、自身の写真を撮影してベイビーダンスに参加できるiPhoneアプリ「エビアン ベイビーダンス」のダウンロードなどが可能。CMに使用された音楽をiAd内で購入したり、壁紙をダウンロードすることもできる。
小室氏は、iAdを展開することでエビアンのターゲットであるF1層(20~34歳の女性)にリーチしていきたいと話す。「単純に広告を見せるだけでなく、よりエンゲージメント(愛着心)を高めていきたい。リーチできる人数ではテレビCMの方が多いが、iAdでは、その分密度の濃いコミュニケーションができると思っている」(小室氏)。
今回の取り組みは、同社にとって初めての大規模なモバイル展開となるという。小室氏は、「これを皮切りにiPhoneアプリやFacebookページなど、さまざまなデジタル関連のコミュニケーションを積極的に行っていきたい」と展望を語った。
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