日本企業が効果を得る中国ネット広告戦法--バイドゥが指南 - (page 2)

日本企業ならではの課題も

 このように中国展開で成功を収める事例がある一方で、日本企業ならではの課題もあると高橋氏は指摘する。「日本企業は慎重すぎると感じている。日本では予算を年間で均等に分配する企業が多いが、変動が激しい中国のマーケットでは、使うところは使って抑えるところは抑えるといった、メリハリがなければ厳しい」(高橋氏)

 また、短期間で投資に見合った効果を期待してしまう企業が多い傾向にあるという。「中国では現地の大型家電量販店がネットショップなどに横展開する事例が増えているが、それでもROI(投下資本利益率)が上がってくるのに最低1年はかかる。日本企業であれば、2~3年の中期計画を立てなければ難しい。投資フェーズと回収フェーズを明確に分ける必要があると思っている」(高橋氏)

 さらに、中国では顧客サポートにチャットを導入している企業が多く、顧客もメールやサイト内フォームではなく、電話やチャットで直接問い合わせをしてくることが多い。また、BtoB企業もサポートにチャットを採用していることが多いという。「コスト効率や製品仕様など、逆にBtoBだからこそ細かく聞きたいという需要がある」(高橋氏)。こういったことから、日本企業も中国展開の際には、コールセンターやチャットを導入することが重要と説明する。

2012年はモバイル、ソーシャルを本格化

  • 中国インターネットでの消費行動

 Baiduが今後より注力していくのが「リターゲティング広告」「モバイル」「ソーシャル」の3つの領域だ。Baiduでは約30万サイトからなるアドネットワークを構築しており、検索後に表示された広告をクリックし、かつアクセス先で会員登録をしたユーザーが、次にアドネットワーク対象のウェブサイトへアクセスした際に、当該広告主のバナーを掲載するリターゲティング広告を2011年末から展開している。

 モバイル向けには、2011年末からモバイルアプリ内広告を配信。ゲーム、教育、スポーツなど幅広いカテゴリで約2600のアプリに広告を配信している。さらに、ソーシャルへの取り組みとして、3月から中国の大手ミニブログサービス「新浪微博(ウェイボー)」との連携を開始。Baiduで検索したキーワードに関連したウェイボーへの投稿が検索結果で閲覧できるようになった。

 高橋氏は、昨年末から開始したこれらの取り組みについて「徐々に効果が出始めている」と話す。また、今後も幅広いメニューを用意することで、日本企業による出稿をこれまで以上に支援していきたいとした。

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