テキサス州オースティン発--Barry Diller氏は、ニューヨーク市で米国時間3月15日に提供予定のストリーミングサービス「Aereo」を阻止するためにテレビ局が戦いを仕掛けてくることを十分に承知していた。そして、Diller氏はそんなことは少しも気にしていないという。
SXSWで講演を行ったDiller氏は、同サービスを気に入っている理由について説明した後、「わたしがAereoを大いに好んでいる理由は、もう1つある。これから大規模な戦いが始まるからだ」と述べた。
同サービスは3月に2件の訴訟を起こされている。1件目はNBC、ABC、CBS(米CNETの親会社)が提起したもので、2件目はFox、Univision、PBSが原告だ。これらのテレビ局は、「テクノロジによる小細工をいくら施しても」著作権法を変えることはできず、Aereoがテレビ局の番組を配信するのに許可を必要とする事実が変わることはない、と主張している。テレビ局は、裁判所に同サービスのローンチを阻止するよう求めている。
テレビ局がこれほど憤慨しているのは、Aereoがテレビ局を迂回するように設計されているからだ。ニューヨーク州にはテレビ局が26社あり、Diller氏はそれを知って驚いたと話している。
12ドルの月額料金で、加入者はテレビ番組にウェブからアクセスしたり、番組を録画したりできる。それらはすべて、インターネットに接続されたあらゆるデバイスからの視聴を可能にする、10セント硬貨サイズのアンテナを通して機能する。Diller氏は「iPad」を使ってデモを行った。
「これは邪悪なものではない。完全に予測できたものだ。メディア企業はそれ(テレビ放送)の覇権を握っており、それを守りたいと考えている」(Diller氏)
IACの会長で、かつてハリウッドで大成功を収めた経験を持つDiller氏の主張によると、放送は何者も介さないということで免許を与えるよう規定されているので、法律は同氏の側にあるという。Diller氏は、各顧客がアンテナを所有するので、Aereo事業が再伝送料を負うことはないと主張している。
Diller氏は、再伝送料の問題を話し合うために、ニューヨーク州でテレビ局のグループと会ったと述べている。
Diller氏は、「わたしはテレビ局に対し、『これによって起こる可能性がある1つのことは、そちらにおける視聴者の増加だ』と話した。彼らは、『それは素晴らしい。こちらに再伝送料を払ってくれ』と言った。私は、『Radio ShackがAereo販売で得る利益の一部をそちらに支払うよう、そちらが納得させることができたら、こちらはそちらが望む料金を支払うだろう。しかし、こちらは何も伝送していない』と答えた」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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