一足先に登場したAndroid搭載のグローバルモデル「PRADA phone」をベースに開発された機種であるが、ワンセグの受信機能やおサイフケータイ機能、エリアメール受信、Wi-Fiテザリング機能など、国内で常用するスマートフォンとして、便利な機能もひととおり備えたものとなっている。
ワンセグの受信にも対応。本体上部にはアンテナが格納してあり、爪先などでアンテナを引き出すと受信準備は完了だ。画面をヨコ位置にすれば、自動的に全画面表示となる。スピーカーは背面で、音量や音質も満足いくものだ。
おサイフケータイ機能は、搭載していながら本体におサイフケータイのマークがないことが特長。タッチする際の場所は、購入時に貼られている背面側のシートにおサイフケータイのマークが書かれているため、はがす前に場所を覚えておく必要がある。ごくたまにおサイフケータイ機能を使う人は少し不便だが、電車やバスで使うくらいの人であれば、場所は覚えてしまうので問題はないだろう。
また、最近のドコモのスマートフォンの傾向でもあるが、PRADA phoneはWi-Fiテザリング機能も搭載している。起動には「ワイヤレスとネットワークの設定」から「ポータブルアクセスポイント」を選んで行う。FOMAの料金システムでは、テザリングを利用すると通信料の上限が高くなるが、エリアに穴の少ないドコモのFOMAエリアで、PCの通信を手助けしてくれるのは心強い。
PRADA phoneの操作感は、とりわけて高速とはいえないものの、スムースに操作できる。内蔵のCPUは1GHz駆動、デュアルコアのOMAP4430。アプリの起動処理に時間がかかり、操作までに待たされるということもなかった。
“ヌルヌル”と表現されるほどには至らないものの、全体的にスムースに動いている。操作途中に嫌なひっかかりを感じるなどの違和感を感じることもなかった。
新機種の中ではさらに速い動きを見せるAndroidスマートフォンもあるが、PRADA phoneの場合は最速ではないものの、バランスがとれたインターフェースに仕上がっていると感じた。
薄さ8.5mmの黒基調の直線的なデザインのボディは、他にもありそうだが、細部を見ていくことでPRADA phoneにしかない特長も見えてくる。
外周を濃色のクローム仕上げとし、メッキの仕上げや輝きも上質。ボタン類は金属製となっているほか、USBポートも金属製のシャッターが付いているこだわりようだ。表面から側面を見ている限り、樹脂やゴムの質感を全く感じさせない作りになっている。
反対に裏蓋はプラスチック製なのが少々残念なのであるが、実際に見た感じではプラスチックの質感を抑えたものとなっており、見た目には安っぽい印象は感じられない。むしろ、側面の金属パーツの数々とのバランスがとれて高級感を感じるほどだ。裏蓋は取り外しできるようになっており、その点からもプラスチックが選ばれたものと思われる。
一番の外見のポイントでもある「PRADA」のロゴは、表面はディスプレイエリアの中にあるが、光が単純に反射しているのではなく、ロゴの中で複雑に反射して独特の輝きを持っていることがわかる。また、裏蓋のPRADAロゴはツヤを抑えたシルバーで刻まれている。
LGのロゴは露出している場所に一切ない。そればかりか裏蓋を外してもすぐには見つからず、パッテリパックと、バッテリパックを外したところ小さく製造会社としてLGの会社名が書いてある程度となっている。
なお、以前のモデル「PRADA Phone by LG(L852i)」との比較も行った。フィーチャーフォンとスマートフォンという違いがあるが、サイズが大きく異なっているほか、新型ではケースやスタイラスペンが付属していない、内蔵カメラのレンズにブランドが付いていないなどの違いがある。また、従来モデルはシルバーカラーのモデルも後から追加されたが、新型は現時点でブラックのみの展開となっている。
PRADA phoneはファッションブランドのケータイということで、デザイン優先で機能や操作性が犠牲になっていると思われがちだが、現在のスマートフォンの中でも、性能に見劣りする部分のないものとなっている。
薄型のボディの中に、おサイフケータイやワンセグを詰め込んだ点も評価できる。今後、災害時の情報収集ツールや、さらに広がる電子マネー機能をフル活用するために必要な装備が備わっている点は心強い。
PRADA phone by LG L-02Dは、PRADAが好きで、このデザインが気にいった人はもちろん、PRADAを意識しなくても、性能と上品なデザインの両方が欲しいという人まで、幅広く勧められるスマートフォンではないだろうか。
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