残念ながら、この争いの本当の敗者は、FacebookとApple製品のユーザーだ。顧客こそが、非常に便利な機能を奪われている存在である。それはひとえに、この2社が合意に至ることができないからだ。
iOSと「OS X」がFacebookとTwitterの両方をサポートできない、あるいはそうすべきでないという理由はない。最新の「iPhoto」でFacebookとの本格的な連携機能が追加されていたことや、次のiOSのアップデートでFacebookでのシェア機能が導入されるといううわさを考えれば、最終的にはFacebookとTwitterの両方のサポートは実現しそうだ。問題は、ビジネスではよくあるように、踏みにじられた自尊心ということになる。Appleは、Jobs氏以後の時代も、あまり寛容ではない。
どちらの側も、必ずしも相手を必要としているわけではないとはいえ、Facebookが関係修復から得るものの方が、Appleが手にするものよりも圧倒的に多い。Facebookは、多数の広告を提供できるようにするため、ユーザーにより多くの情報をシェアするよう促す必要がある。結局のところ、それがFacebookのビジネスモデルだ。iOSやOS XにFacebookがより緊密に統合されれば、その目的は実現するだろう。人々がFacebookでさまざまなことを簡単に素早く行えるようになるからだ。
Facebookが受けるメリットは、Facebookの規模だけを考えても、Twitterが受けるメリットよりも大きくなる可能性が高い。一方、Appleにとっては、FacebookをiOSに追加したり、OS Xでの連携を深めたりすることは、特に大きな売り上げの伸びにはつながりそうにない。AppleはFacebookを必要としていないのである。
Facebookとしては、モバイルが急成長の見込める分野である時代には、関係の改善に努め、そのソーシャルネットワークをAppleのデバイスと密接に結びつけるべきだ。筆者は、Zuckerberg氏とそのチームがAppleとの傷ついた関係を修復して、同社のソーシャルネットワークをiOSとOS Xにつなぐ方法を見つけることを期待している。それは、「世界をよりオープンで、よりつながったものにする」というFacebookのミッションにも、必ず役立つだろう。
Ben Parr氏は、今後発表予定の新興企業の設立者、米CNETコメンテーター、そして、Mashableの元編集顧問。米CNET Blog Networkの一員であり、米CNETの社員ではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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