ドコモ障害の原因は新パケット交換機の処理能力オーバー--最大252万人に影響

別井貴志 (編集部)2012年01月26日 11時00分

 NTTドコモは1月26日、2012年1月25日午前8時26分から午後1時08分までの間に東京都の一部地域においてFOMAの音声・パケット通信サービスが利用しづらい状況が発生したことについて、その障害内容と対策を発表した。障害が発生したのは、新型パケット交換機への切り替えを実施したところ、「制御信号」がパケット交換機の処理能力をオーバーフローしたことが原因で、影響を受けたのは最大252万人としている。

 スマートフォン契約者の増加に伴い、頻繁に制御信号を必要とするスマートフォンのアプリケーション(VoIP、チャットなど)が急激に普及し、ネットワーク上の制御信号が増加。これに対応するため1月25日未明より新型パケット交換機への切替を実施した。

 その後、1月25日午前8時26分頃からトラフィックの上昇に伴い、新型パケット交換機の動作が不安定になり、午前9時頃からトラフィックがさらに上昇したため、ネットワークにおいて輻輳状態が発生し、ネットワークの自動規制により、パケットサービスおよび音声サービスが繋がりにくい状況となった。そして、午前0時56分頃から、ネットワークにおける輻輳状態を改善するために、パケット交換機を切替前の状態に戻す作業を行い、この作業が完了した交換機配下の基地局から規制を順次解除し、最終的に午後1時08分にすべての基地局の規制を解除し、回復した。

 今後の対策としては、全国のパケット交換機の一斉総点検を2月中旬までに実施し、必要に応じて設備増設などの対策を実施していく。また、スマートフォンの増加に伴って急増している制御信号量を監視して、より適切な信号量予測を設備に反映させていく方針だ。

 ドコモは、1月26日に記者会見を開催し、取締役常務執行役員の岩崎文夫氏が「トラフィックに対しての見極めが甘かった。大変申し訳ないと思っている」と謝罪した。

  • 発生事象

    NTTドコモ資料

  • 新型パケット交換機への切り替え概要

    NTTドコモ資料

  • 今回発生した事象の原因

    NTTドコモ資料

  • 制御信号増加の要因

    NTTドコモ資料

  • 今後の対策および課題について

    NTTドコモ資料

  • 時系列

    NTTドコモ資料

◇相次ぐ通信障害
KDDI、25日深夜に都内で通信障害--26日午前3時に回復
OCNで通信障害--海外向け通信がつながりにくい状態に
ドコモ、25日朝から都内で通信障害--午後1時に回復
総務省が相次ぐ通信事故でNTTドコモを指導--電通法の違反も
「見極めが甘かった」と通信障害でドコモが謝罪--改めて社長から説明も

◇各社のスマートフォントラフィック対策

◇2011年12月末から年初にかけて発生した障害・不具合
ドコモメール約20万人に不達メッセージ届かず
ドコモのメール障害再び--通信設備故障で現在は回復
ドコモ、spモード不具合を受け対策本部を設置--トラフィック増に対応
ドコモ不具合“完全回復”はまだ--交換機はリセット完了
ドコモメール不具合は1万8698人に影響--他人のアドレスに置き換え
NTTドコモの不具合は22日昼に完全回復へ--「スマホ急増で能力十分でなかった」
ドコモ障害で今後の携帯電話業界どうなる?
ドコモ「spモード」不具合の影響は10万契約--メールサービスの一部停止
ドコモ、「spモード」で他人のアドレスに送信される不具合

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]