KDDIは12月14日、同社が手がけるインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo(∞ Labo)」第1期参加チームの成果報告と、第2期開始を告知するイベントを都内で開催した。
∞ Laboは、KDDIがスタートアップの支援を目的に立ち上げたプログラム。設立3年以内、従業員数10名以下の5チームを選抜し、インキュベーションオフィスやネットワークインフラ、スマートフォン関連の情報、端末などを提供。さらにメンターや社外アドバイザーなどがアドバイスを行い、3カ月以内のサービスローンチを目指すというもの。6月に募集を開始した第1期では、Android向けサービスにテーマを絞り、5つのチームが選ばれた。同日のイベントでは5チームそれぞれがプレゼンテーションを実施。第1期の最優秀チームとして、シンクランチの「ソーシャルランチ」が選ばれた。各チームが提供するサービスは次の通り。
5チームすべてが、Labo参加期間内の資金調達を完了している、もしくは間もなく完了するという。KDDIも数社に対して投資を検討しているという。
KDDI代表取締役執行役員専務 新規事業統括本部長の高橋誠氏は、∞ Labの活動を通じて「オープンなネット時代の人とたくさん会えるようになってきた」と語る。同社では現在、日本で∞ Laboを展開するほか、インフィニティ・ベンチャーズLLPがとりまとめるベンチャーファンド「IVP Fund」、DCMがとりまとめるベンチャーファンド「A-Fund」などへの出資を通じてアジアや米国でもスタートアップやアプリの発掘を進めている。「アーリーステージの企業とどう結びつくか、KDDIでも準備している。それによって最終的にKDDIファンが増えていけばいい。ちょっと長い取り組み」(高橋氏)。スタートアップとの連携に向け、KDDIでは今後、LBS(位置情報)やO2O(オンラインからオフラインへの送客)などのプラットフォームを用意。パートナーに提供していくという。
同日開かれた会見で、プログラムを実施したことについて「率直にやって良かった」と語った高橋氏だが、一方で「『(期間内に)これでマネタイズできる』というところまで持って行けたかというと、そうではなかった」と反省点を挙げる。第2期ではAndroidに限らず広くサービスを募り、期間内にもマネタイズまでが見えるサービスの発掘を目指す。
プログラムを通じて感じた日本のスタートアップの強みとして、「徐々に変わってきてはいるが、北米はモバイルをPCの延長と考えている。一方で日本はモバイルで育て来ているので、モバイルで1から10をやれるようにする。これは強み」(高橋氏)。たとえばFacebookもモバイル版を提供しているが、設定の詳細はPCで行う。まだPCに依存した形だと言える。モバイルですべて完結するサービスの作り方は、東南アジアなどでの展開にも有利ではないかとした。
∞ Lab第2期の募集は12月15日より2012年2月10日まで。応募条件の詳細や申し込みについては、公式サイトで公開する。
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