UQコミュニケーションズから据置型のWiMAXワイヤレスルータ「URoad-Home」が11月22日に発売された。メーカーは、WiMAXの通信機器では主要メーカーとなるシンセイだ。有線LANを2ポート備えるが、バッテリは内蔵しておらずACアダプタを使ってコンセントへの接続が必要となる。ADSL回線の代替としてWiMAXを使おうと思っているユーザー向きの製品だ。
家庭用のブロードバンドルータと同じくらいのサイズで、縦型や横型、壁掛けなどにも対応しているため、設置場所を選ばない。動作状態を示すLEDも見やすい位置についていてわかりやすい。
一部の持ち運べるタイプの機種では、動作中でも電源を節約するためにLEDを消灯してしまうが、URoad-Homeはずっと点灯している。点灯するLEDの色は緑や赤や黄色などで輝度も適度。薄暗い部屋に設置して、動作LEDが部屋を煌々と照らして雰囲気を壊してしまうこともないだろう。
有線LANポートは2ポート搭載しているため、直接PCにつなぐことができる。無線LANだけでは近所の無線LANが干渉して、順調に通信できない場合などにも有効。もし有線LANしか使わないというのなら、本体裏にあるスイッチを切り替えれば、すぐに無線LANをオフにできる。設定画面などを開いたりといった面倒なこともない。
例えば、通常はデスクトップPCやテレビを有線で接続しておいて、必要なときだけ無線を利用するといった場合も切り替えが簡単だ。ただし、スライドスイッチは裏側で、少し操作がしにくい。できれば表側で、もっと操作しやすいスイッチだったら良かったのにと思う。
なお、電源は付属のACアダプタを用いており、出力端子形状はMicro USBだがPCのUSBポートから給電できないようになっている。付属ACアダプタの出力電流はUSBの規格を超える最大2A、形状はMicro USBでも空き端子に細工を施しており、正規のACアダプタを判別している。2A供給が可能なUSB電源アダプタやモバイルバッテリを汎用USBケーブルで接続しても電源は入らない。
家に据え置くルータであれば、LAN側の細かい設定のほか、必要に応じてポート開放などの設定項目が欲しいところだが、URoad-Homeではひと通りの設定項目を備えている。
設定画面へはPCのウェブブラウザからアクセスするようになっており、LAN側の設定では、ルータ自身のIPアドレスやDHCPを設定できるようになっている。特にDHCPは据置型ルータには必須とも言える静的割当も可能だ。無線LANはIEEE 802.11b/g/nに対応、セキュリティはWPA2/AESに対応している。セキュリティ自動設定のWPSもサポートしている。
インターネット側の設定では、ファイアウォールの項目にDMZ、ポートフォワード、MAC/IP/ポートフィルタリング、コンテンツフィルタなどを設定項目が並んでいる。DDNSにも対応し、無料で使えるdyndns.orgに対応している。
据置型のURoad-Homeで契約してしまうと、家の中だけでしかWiMAXが利用できないと思われるかもしれないがそうではない。WiMAXは携帯電話の回線と違い、複数端末を使い分けるオプションが充実しているので、URoad-Homeも有効に活かせる。
家族で暮らしている人なら、12月から開始した1契約で同時に複数の端末を利用できる「WiMAXファミ得パック」(月額プラス2480円)オプションの活用が考えられる。モバイル用のWiMAX端末やWiMAX内蔵PCを持って外出しているときでも、家ではURoad-Homeによるネット接続が利用できる。低速ADSL回線並みの金額の追加で、ADSLよりも上り回線が早く、工事不要で自由度が高い高速回線を使うことができるのだ。
また、1人暮らしで外出時に家のネット回線が不要なら、同時利用はできないが、複数端末を1契約で利用できる月額プラス200円の安価な「WiMAX機器追加オプション」が使える。家でURoad-Home、外で別のWiMAX端末という使い分けが簡単にできる。家とモバイルの両方の合計コストから見ると、かなり安価に利用できることになる。
なお、UQ WiMAX以外のプロバイダから提供されるWiMAXサービスでは、これらのオプションが利用できないこともあるので注意が必要だ。URoad-Homeは、WiMAXのオプションが充実した今、安価に家のネット回線が欲しいユーザーが検討すべき端末と言えるだろう。
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