UQ、下り最大165Mbpsの「WiMAX 2」を2013年に実用化へ--従量課金の予定

 UQコミュニケーションズ(UQ)は7月6日、東京都千代田区大手町周辺で実施した「WiMAX Release 2(WiMAX 2)」のフィールドテストで、モバイル環境において下り速度100Mbpsを超える無線通信に成功したと発表した。フィールドテストでは、20MHz帯域幅の電波を利用している。UQは、2013年早期の実用化に向けて引き続き検証を進めていく。

 WiMAX 2は、下り最大165Mbps、上り最大55Mbps(20MHz帯域幅の場合)のモバイル通信サービス。WiMAX 2を利用することで、例えば、父親がビデオカメラで撮影した子供の運動会の動画を、遠方にいる祖父母がストリーミングサービスを利用してリアルタイムに視聴する、といったことが可能になる。サービス料金については、使用するデバイスや利用頻度による従量制を採用する予定。

  • ガチャピン、ムックと手をつなぐUQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏

 2009年2月26日にサービスを開始したデータ通信サービス「UQ WiMAX」は、2011年6月15日に100万契約を突破、また無線基地局数は1万5000局を超える。一方で、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴うトラフィック増への対応が急務となっている。

 WiMAX 2を導入する最大の目的は、WiMAXとWiMAX 2を併用することによる“システムの高度化”だと、UQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏は話す。WiMAX 2により、データの急増を乗り切るだけの無線通信の容量を確保できるほか、電波利用効率の向上やビット単価の低減も可能になる。

 また野坂氏は、無線通信の容量を増加する方法として、「基地局の増設」「新技術の導入」「周波数の追加」の3点を挙げ、WiMAX 2は新技術の導入と周波数の追加によって実現すると話す。基地局の増設を選ばなかった理由としては、大都市の基地局がこれまで以上に高密度になると、隣接する基地局との干渉が発生し、品質が劣化するためと説明した。

 WiMAX 2は、3月にIEEE(米国電気電子学会)でIEEE802.16mとして標準化が完了し、5月にWiMAX Forumで標準化を完了している。またIEEEと日本は、WiMAX 2を将来の移動体無線伝送方式IMT-Advancedとして、ITU(国際電気通信連合)へ提案しており、2012年にも勧告承認される予定だという。野坂氏は、「WiMAX 2で光ワイヤレス(ワイヤレスLANの光)を実現する」と意気込みを語った。

  • 展示されていたWiMAX 2端末(GCT製)

  • フィールドテストで使用されているバス

  • 大手町周辺を走行するフィールドテストでは一時150Mbpsを超えた

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