米連邦捜査局(FBI)とフィリピンの捜査当局はこのほど、テロリストから資金提供を受けてAT&Tのシステムに不正アクセスした疑いで4人を逮捕した。ただしAT&Tによると、同社のシステムが侵害されたわけではないという。
フィリピン国家警察の犯罪捜査隊(CIDG)が声明で述べたところによると、フィリピンのマニラで現地時間11月23日に逮捕された4人は、サウジアラビアを拠点とするテロリスト集団から資金を得ていたという。このテロリスト集団は、インドのムンバイで2008年に発生した同時多発テロで資金源になっていたことがFBIによって確認されている。このインド最大の都市で起きた一連のテロでは、164人が死亡し、負傷者は少なくとも308人にのぼった。
CIDGは声明で、「今回のハッキング攻撃で、AT&Tは200万ドル近い損失を出した」と述べている。
CIDGによると、容疑者たちはAT&Tを含む複数の通信事業者の電話中継回線にあたるPBX(構内電話交換機)をハッキングしたという。これらの攻撃で盗まれた金銭はテロリストたちが保有する銀行口座に流れ、フィリピン人ハッカーらはそのテロリストから手数料を受け取ったと、CIDGは述べている。
4人は、Muhammad Zamir受刑者がもともと運営していたグループの下で活動していた疑いがあるという。Zamir受刑者はFBIが2007年に逮捕したパキスタン人で、Al Qaedaとつながりがある東南アジアの過激派組織Jemaah Islamiahと関わっていた。
CIDGのGilbert Sosa警視正は声明で次のように述べている。「Zamir受刑者のグループは、2008年11月26日にインドのムンバイで発生したテロ攻撃の資金源になっていたことを後にFBIが確認しているが、マニラのハッカー集団に資金を提供したのも同じグループだ」
AT&TはReutersの取材に対し、「一部の顧客への請求書に記載された虚偽の請求について取り消し処理を行わなければならなくなった」と述べたが、200万ドルという数字についてはコメントしなかった。
AT&Tの広報担当者であるJan Rasmussen 氏は次のように述べている。「AT&Tとそのネットワークはハッカーたちの標的になったわけではなく、侵害されたわけでもない。当社はハッカー集団の逮捕につながった調査で捜査当局に協力しただけだ」
CIDGによると、FBIは2011年3月、今回逮捕されたハッカー集団が米国でAT&Tを標的にしたことが確認されたとして、CIDGに協力を求めたという。
AT&Tは先ごろ、モバイル利用客のデータを盗み出そうとする試みを阻止したことを明らかにした上で、顧客情報の流出はなかったと述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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