KLabは12月6日、東京地方裁判所においてクルーズに対して著作権侵害行為および不正行為に基づいた差止および損害賠償を求める訴訟を提起したと発表した。
KLabは3月にソーシャルゲーム「真・戦国バスター」(携帯電話のみで閲覧可能。スマートフォン版も提供)をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Mobage」に提供している。戦国バスターは、権利もののキャラクターを題材としたものを除けば、KLabのソーシャルゲームでもっとも売り上げの高いタイトル。
このゲームシステムやユーザーインターフェース、ヘルプ文言などが、クルーズがMobage向けに9月に提供したソーシャルゲーム「チーム×抗争!ギャングキング(ギャングキング)」(携帯電話のみで閲覧可能)と高い類似性があることから、著作権を侵害されたなどとしてサービス差し止めと5500万円の損害賠償を請求するという内容だ。
KLabでは、ギャングキング提供の経緯や真・戦国バスターとの類似点などについて説明を求めるよう警告した上で今回の訴訟に踏み切ったとしている。
たとえば、多くのソーシャルゲームではユーザーがレベルアップすることで、ステータス(ユーザーの能力)を強化できる仕様だが、戦国バスターでは仲間の武将を増やす度に強化できる仕様となっている。こうなると武将ごとにクリエイティブが必要となるため、非常に工数がかかる。スピード感が求められるソーシャルゲームの世界で、このように工数をかけられるケースはあまりない。「把握する範囲では(KLabとクルーズのゲーム以外に)この仕様を見たことない」(KLab関係者)とのことだが、ギャングキングでも同様のシステムが採用されている。
また真・戦国バスターでは、さまざまな武将と対決して勝利すると、一定の確率で武将を仲間にできるのだが、有料アイテムを利用すれば、確実に武将を仲間にできる。アイテム名こそ違えど、ギャングキングでも同じ仕組みを導入している。
さらに両ゲームのヘルプは、見出しの項目がほぼ同じ順番に並んでいるほか、文言についても、ゲームのモチーフによって異なる部分(戦国バスターのキャラクターが「武将」、ギャングキングが「ギャング」となるような点)をのぞき、ほぼ同じだと主張する。
ソーシャルゲームでは同じようなテーマやシステムの作品が各社から提供されるケースは往々にしてある。しかし、後発作品ほど新しい要素を導入して他社作品との差別化を図っている。「他社のゲームのどこか一部を参考にし、自分たちの要素を入れていくことはよくある範囲だが、今回のケースはあまりに類似しており看過できない」(KLab関係者)
今回の訴訟に対してクルーズにコメントを求めたが、すぐには回答は得られなかった。
他社のソーシャルゲームが自社のものと類似しているとして、配信差し止めや損害賠償を求めるケースはこれまでにもあった。2009年9月にはグリーがディー・エヌ・エーおよびORSOを提訴しており、2012年にも判決が出る予定となっている。また2011年に入ってからは、9月にコナミがGMS(現gloops)を提訴している。
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