グーグルの「みんビズ」、2カ月で1万6000サイト--Jimdo採用の背景語る

藤井涼 (編集部)2011年11月21日 12時02分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 グーグルは9月13日、中小企業向けのウェブサイト作成サービス「みんなのビジネスオンライン」(みんビズ)を公開した。企業サイトを無料で作成できるサービスで、直感的な操作でわずか15分でサイトを作ることができる。

 サイトの構築には、KDDIウェブコミュニケーションズが提供するウェブサイト作成サービス「Jimdo(ジンドゥー)」を採用しており、業種別に計100種類以上のデザインテンプレートが用意されている。独自の「.jp」ドメインを取得できるのも特長だ。

 サービス開始から約2カ月が経過した今、利用状況やサービス提供に至った経緯などをグーグル マーケティングマネージャの東後澄人氏に聞いた。


グーグル マーケティングマネージャの東後澄人氏

--まず、「みんビズ」を開始するに至った背景を教えて下さい。

 弊社で中小企業向けにアンケートを実施した際に、現状24%の中小企業しか自社のウェブサイトを持っていないことが分かりました。一方で、消費者側を調べてみると、90%以上のネットユーザーがすでにネットショッピングを経験しているというデータもあり、そこに大きな機会ロストが発生しているという状況がありました。そこで、オンラインサービス会社のグーグルとして中小企業を支援できるのではないかと考えたのがきっかけです。

--グーグルでは、すでにサイト作成サービス「Google サイト」を提供しています。なぜあえて新サービスとして提供したのでしょうか?

 みんビズでは、中小企業のビジネスに徹底して最適化しているのが特長です。独自ドメインが使用できるところや、業種別にテンプレートを用意しているところ、Google Analyticsの機能を初めから埋め込んでいるところなどですね。これまであまりウェブを使ってこられなかった中小企業に1番使ってほしいという思いから、現在のサービス体系にたどり着いたというところです。

--サイト構築には「Jimdo」を採用していますが、グーグルのツールを使わなかった理由はありますか?

 Jimdoを採用した理由は大きく2つあります。1つは、Jimdoが提供するサービスが、クオリティの高さと、ある程度の自由度を求める日本の中小企業のニーズにマッチしていたということです。もう1つが、JimdoはKDDIウェブコミュニケーションズと日本での販売契約を結んでいますが、KDDIウェブコミュニケーションズや親会社のKDDIは中小企業の支援に熱心に取り組まれていて、そこで共鳴したというところですね。

--デザインテンプレートや機能は今後も増やしていくのでしょうか?また、テンプレート以上のカスタマイズをしたいという需要はありますか?

 いろいろな声をユーザーからいただいているので、それらの意見を踏まえて新しいテンプレートを提供するかを判断したいと思っています。また、まずはテンプレート通りにサイトを作ってみて、そこから今度は自社のオリジナリティを出していきたいということであれば、ユーザー自身である程度はカスタマイズしていくことができます。

 ただし、これまでウェブに接してこなかった方からすると、難しい部分もあるかと思うので、そこから先はプロの業者などと連携しながらうまくこのツールを使っていいものを作るという方法もあるかと思います。あくまでもテンプレートは最初のきっかけであって、まず自分のサイトを作って、そこからどう使っていただけるかは、ユーザーごとにさまざまなパターンがあると考えています。

--他のグーグルサービスとの連携についてはいかがですか?

 実はみんビズに新規登録する際に、個人情報の入力画面で“「Google プレイス」のアカウントを作る”というチェックボックスにチェックすると、入力した個人情報をベースにしたGoogle プレイスのアカウントを作ることができます。ビジネスをオンラインで展開していく上ではサイトは1つの手段ですし、Google AppsやGoogle プレイスなど、その他のグーグルのサービスも幅広く活用していただきたいと思っています。

--サービス開始から2カ月で開設されたサイト数はどれほどですか?また、作られたサイトに特徴などはありますか?

 サイト数は約2カ月で1万6000を超えています。非常にハイペースで増えていて、多くの個人事業主の方にもご利用いただいています。古くなったサイトのリニューアルにみんビズを活用されたという方もいました。

 ウェブサイトがあると実際に商品などの写真を見ることができますが、それ以上に大切なのがサイトを作ることで“ビジネスにつながってほしい”ということです。ユーザーの多くが電話番号などコンタクトに必要な情報をサイトの上部に配置しているのが特徴ですね。

  • 埼玉県の「鮨処 九十九」。入荷した鮮魚などをブログで紹介している。

  • 北海道で高齢者住宅のリフォームサービスを提供する「建築工房エンドウ」。施工事例などを掲載している。

 業種も当初想定していた以上にバラけていて満遍なく広がっています。ただし、現在は14業種向けにテンプレートを提供しているのですが、「その他」の割合が比較的高いので、今後はより細分化していきたいと考えています。

--地方と都市圏の利用比率はどうでしょうか?今後利用者を増やしていくための取り組みなども教えて下さい。

 現在はどちらかというと都市圏の方の利用比率が高いのですが、今後は全国でセミナーをやらせていただいたり、各地の活動を事例として取り上げさせていただくことで、より草の根的に地方の利用者を増やしていきたいと思います。

 一方で、セミナーという形でこちらからヒントをお伝えすることも大切だと思うのですが、それ以上に多くの方に利用していただくには、各地で(自社のウェブサイトを持つという)動きが広がっていくことが重要だと思っています。そこは各地で中心となっていただける方々とうまく連携しながら、地域に根ざした活動をこちらから支援させていただきたいと考えています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加