グーグルは9月13日、日本の中小企業のICT利活用促進を目的に、中小企業向けのウェブサイトを無料で簡単に作成できるサービス「みんなのビジネスオンライン」を開始した。サイトの構築には、KDDIウェブコミュニケーションズが提供するウェブサイト作成サービス「Jimdo(ジンドゥー)」を採用している。
みんなのビジネスオンラインは、中小企業のビジネスに最適化されたサイトを無料で作成できるサービス。日本国内の中小企業および個人事業主を対象としており、サービス開始から1年間は無料で、2年目以降は月額1470円で利用できる。
業種別に用意された100種類以上のデザインの中から、会社に適したデザインを選ぶことができ、HTMLなどの知識がなくても直感的な操作でわずか15分でサイトを作ることができる。修正などの際も、変更したい箇所をクリックしてタイプするだけで反映される。
さらに「.jp」を含めた独自ドメインを取得できるほか、Eコマース機能も搭載している。また、スマートフォンからアクセスすると自動的にスマートフォン向けのページに変換されるという。
日本の中小企業を元気にする
同日の記者発表会では、グーグル代表取締役の有馬誠氏が挨拶。有馬氏は、2010年に総務省が公開した「ICT基盤に関する国際比較調査」のデータを紹介し、日本が世界一のICT基盤を持ちながら、ICTの利活用については16位と低いことから「まだまだ日本にはネットを活用する余地がある」と語る。
また同社の調べによると、ネット利用者に占めるネットショッピング経験者は93%とほとんどの人が利用している一方で、自社のサイトを保有している中小企業は24%と少ないことから機会損失が発生していると指摘。みんなのビジネスオンラインで日本の中小企業を元気にしたいと意気込む。
有馬氏は、みんなのビジネスオンラインのパートナーとして、KDDI、Jimdo、特定非営利法人ITコーディネータ協会、独立行政法人中小企業基盤整備機構を挙げ、各社との連携体制のもとサービスを提供していくと説明。プロジェクト開始から1年間で約15万社の中小企業に利用してほしいと目標を掲げた。
続いて挨拶したKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、世界各国の企業ドメインの取得数を紹介。アメリカは日本の10倍、ドイツは2.8倍、イギリスは2.2倍の企業ドメインを取得しており、日本の企業ドメイン取得数は圧倒的に少ない。田中氏はこの状況について「ITを活用することで(中小企業は)もっと元気になれるのではないか」とコメント。
サイト作成サービスJimdoの無料提供や、オフィスのICT化を支援するプログラム「KDDI まとめてオフィス」を提供することで、中小企業のIT環境構築をサポートしていきたいと語った。
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