PCを動かし、「iPad」に映画を保存するチップの製造に携わるすべての人に悪いお知らせがある。
IHSは米国時間11月17日、2011年の世界半導体市場における売上高予測を大幅に下方修正し、成長率予測を2.9%から1.2%に一気に引き下げたと述べた。同業界は数十年前に誕生して以来、好況と不況の波を何度も経験してきたが、不況時には依然として不快な波及効果が伴う。つまり、次世代製品の研究に資金を投入し、次世代製造施設の経費を支払うためのお金が減少する。
そして、コンピューティング性能を備えたスマートフォンや薄暗い環境でも写真を撮影できるカメラ、車で長距離旅行に行くときに子供を楽しませる映画をより多く保存できるタブレットを次から次に求める消費者にとって、最終的に重要となるのはそれらの投資である。
IHSはこの問題の原因として、自然災害が連続して起きたことを挙げている。
まず日本で地震と津波が発生し、そこでの事業が妨げられた。次にタイで洪水が発生してハードドライブ製造に甚大な悪影響を及ぼしたため、PCの売上高が縮小している。
それに加えて、半導体市場の回復を妨げかねない厳しい世界経済もこの問題を複雑にしている。
2012年の世界GDPの成長は2011年と同じ3.0%に留まると見られており、現在の不景気は2012年に入っても続くと予測される。この不景気によって、電子機器および半導体市場の需要の主要なけん引役である消費者支出は抑制され続けるだろう。その結果として、IHSは2012年半導体市場の売上高成長率がわずか3.2%に留まると予測している。景気回復は2013年になるまで始まらない。しかし、成長率に関するあらゆる予測は本質的に注意が必要だ。なぜなら、経済を景気後退に引き戻すおそれのある要素が多々あり、それによって半導体市場が二番底に陥ってしまう可能性があるからだ。
最も不調だったのはDRAMメモリだ。NANDフラッシュメモリは2011年の明るい要素だったが、それが2012年まで続く可能性は低い。
ほかの明るい要素としては、イメージセンサや、コンピュータの頭脳として機能するマイクロプロセッサの売上高が挙げられる。Intelとサムスン、Renesas、Qualcomm、AMDは2011年第4四半期の成長を見込んでいるとIHSは述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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