このように、イノベーションは検索、ソーシャルとさまざまなカテゴリで起こっている。GoogleやFacebookなどの既存ベンダー、そしてまだ見ぬ将来のベンチャー企業がアイデアを出し合っていけば、エコシステムがリッチになり、市場やユーザーにメリットを及ぼす。「これから5年後、10年後に2011年を振り返ると、“あれだけしかコミュニケーションの手段がなかったのか”と驚くだろう」とHughes氏は将来に期待を見せた。
一方、Googleが開始したソーシャルサービス「Google+」については、「登場してすぐに登録し、利用した」というが、「いまはあまり利用していない」とのこと。Google+が差別化とうたうグループ機能については、知っている人全員とは共有したくなかったり、ふさわしくないシチュエーションがあるといったニーズをを認め、「どうやって容易に、直感的に一部の人と共有できるようにするか――これはあらゆるソーシャルネットワークの構造的課題」とした。Facebookも、2006~2007年ごろからこの課題に取り組んでいるとのことだ。
Facebookのユーザーが増え、プラットフォーム化する中、ユニバーサルなウェブをソーシャルネットワークが脅やかすという懸念もみられる。Hughes氏は、“クローズド”というFacebookの特徴を取り上げながら、「インターネットでは公開すると誰もが見ることができるが、Facebookの場合は情報を共有する相手はユーザーが決定する。これは幅広い意味でのインターネットとは異なる」と説明する。その上で、「プライベートというFacebookの特徴は重要だ。この特徴があるために、ユーザーは安心して情報を共有できる」とHughes氏。一方で、「もちろんバランスが必要だ。パブリックにオープンに発信したい場合どうするのかは、ソーシャルサービスの課題でもある。私は、両方の機能があってよいと考える」との見解を示した。そして、クローズドなソーシャルネットワークとオープンなインターネットの境は今後「あいまいになる」と付け加えた。
最後に、社員のFacebook利用を禁じる企業や組織の動きについて尋ねたところ、「Facebookを禁じることが、企業にとってよいことかどうかは疑問。わたしの考えでは逆だ」といった答えが返ってきた。良いマネージャーなら、部下が設定した目的の達成を可能にするのを支援するべきであり、「よい職場を作り、部下が会社のために働いてほしいなら、何をしたかで評価するべき」(Hughes氏)とした。
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