ワシントン州ベルビュー発--Microsoftの最高経営責任者(CEO)を務めるSteve Ballmer氏は米国時間11月15日午前、同社の年次株主総会で、会社を分割することにメリットはないと述べた。
Ballmer氏は、同社を分割することによって解放される価値について問われた際、「当社を分割することで根本的な価値が創出されるとは到底思えない」と返答した。
Ballmer氏は、Microsoftが会社全体で促進できる相乗効果から恩恵を受けていると述べた。たとえばゲーム機の「Xbox」は、Microsoftの検索エンジン「Bing」の技術に加えて、同社の調査研究部門による音声認識技術を採用している。部門を相互に分離する良策はないという。
「当社は、いたずらに独立しているものに資金を投じることはない。境界線を恣意的に引くことはきわめて困難だ」(Ballmer氏)
これとは別に、Ballmer氏は同社のXboxがすでに米国で最大の人気を誇るゲーム機になっているとして、「世界第1位への見通しは明るい」と述べた。Ballmer氏によると、Xboxが10年前の2001年に登場したとき、遊び盛りの息子3人がいる同氏の自宅では、このゲーム機は地下に「追いやられた」という。
「2010年、われわれは『Kinect for Xbox 360』を投入し、状況が一変した」(Ballmer氏)
Kinectが登場し、対応するソーシャルゲームも増えてきた。加えて、ユーザーは音声とジェスチャを使ってゲーム機とやり取りできるようになり、ビデオコンテンツやゲームの操作が簡単になった。
「今では、わが家でXboxを階上に置いているだけでなく、2011年の感謝祭には祖父母の家にゲームを持参するよう頼まれた」(Ballmer氏)
この年次総会は、株主への元気づけという役割を担うことが多いが、今回は株主たちがMicrosoftのリーダーシップに異議を申し立てる場面もいくつかあった。ある株主は厳しい調子で、なぜ同社が自社株を大量に買い戻すのか、配当を増やすなどの方法でその資金を株主に直接還元すべきではないか、と問い詰めた。
Microsoftの最高財務責任者(CFO)を務めるPeter Klein氏は、これまでに膨大な額の現金が株主に還元されたと指摘した上で、同社は現金を投資に使う必要もあると述べた。
「われわれのアプローチはバランスを取ることだ」(Klein氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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