Evernoteは11月8日、都内で記者発表会を開催し、来日した同社CEOのPhil Libin氏がEvernoteの事業を説明するとともに、有料版における日本円での課金開始を発表したほか、国内のパートナー企業の紹介、Evernoteファミリーに加わったアプリケーション「Skitch(スキッチ)」やiPad用の「Evernote Peek」の新バージョンを紹介した。
Phil Libin氏はEvernoteの事業について、短期で売却してしまうのではなく「100年続く企業」と強調した。これは長く続く日本の企業形態からきたインスピレーションという。「100年続けるためには、お客様に常に信頼されることが重要。100年計画が成功する方法はつねにオープンであること」と説明した。
また、Evernoteは「一生使っていただきたいサービス。有料と無料を組み合わせたサービスであるが、メインは無料のバージョンで、一生、無料で使っていただけることを知ってもらいたい」と無料サービスにも注力していることを強調した。
収益も「十分に使い込んだお客様は、月に5ドルを払ってプレミアム版に移行してもらえる」と有料版へ移行するユーザーが多くなることに自信を見せた。なお、日本のユーザーは200万人。最初の100万人に達するまで31カ月かかっているが、その後200万人は7カ月で達成したという。
発表会では、支払い方法についても発表が行われた。有料版の「Evernoteプレミアム」は従来はドル建てでの支払いだったが、11月8日からプレミアムにアップグレードしたユーザーから、日本円での支払いとなる。円での料金は月額450円または年額4000円。従来のユーザーはそのままドル建てで支払える。
課金方法の一つとして、通信キャリアの決済が使えるようになった。NTTドコモに限られるが、NTTドコモのAndroid端末を利用しているユーザーは携帯電話料金と一緒に支払う決済方法も選択可能となる。
また、サービスの面では、Skitchの日本語サイトが開設された。Skitchは画面キャプチャや画面へのメモの書き込み、共有が行えるソフトウェアで、Evernoteと統合して利用できる。動作するプラットフォームは従来からのMac OS用のほか、Android用が登場した。Android版では写真を撮影し、Skitch上で写真に説明を書き込み、Evernoteに保存するといった使い方もできる。iOS用も開発中で登場予定だという。
Evernote PeekはiPad2のスマートカバーを使うためにデザインされた学習アプリだが、バージョンアップが発表され、画面をスワイプすることで仮想的なスマートカバーを利用できるようになった。Evernote Peekの日本語版の教材も提供予定で、小学館、学研、日経ビジネスのコンテンツがダウンロード可能となる。
そのほか、Windows Phone用の日本語版Evernoteアプリの提供も発表され、今週中に公開予定だという。
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