オリンパスは11月8日、1990年代ころから有価証券投資等にかかる損失計上の先送りをしていたことを受け、代表取締役社長執行役員の高山修一氏が会見を行った。過去の買収案件を損失計上先送りによる含み損解消などに利用していた事実と、これに関わった副社長らの人事についても発表した。
人事異動として発表されたのは、取締役副社長執行役員の森久志氏で、副社長執行役員から解職。同じく本件に関わっていた常勤監査役の山田秀雄氏は辞任の意向を示しているという。
高山氏は「昨日(11月7日)夕刻に森取締役より報告を受け、極めて重大であると判断し、本日の会見を行うことにした。第三者委員会には損失先送りに関わる事実関係についても調査対象としていただくことを依頼している」と説明した。会見では、損失計上が先送りされ始めた時期について「1990年代ごろ」として特定しなかったほか、損失の規模についても「現時点で申し上げることはできない」と明らかにしていない。
この件に関与していた人物として「菊川氏、森氏、山田氏」の3人の名前を挙げ、前社長の菊川氏については「すでに解職している。この人事を変える予定はない」という。
今回の事実を受け急落しているオリンパスの株価について「上場廃止の恐れもあるのでは」という質問が出ると「全力上げて上場廃止にならないよう取り組む。多くの皆様にオリンパスの価値を提供し、株価を戻すことで今回の責任対応としていきたい」と思いを話した。
高山氏自身の責任について問われると「現時点では(辞任などの意向は)考えていない」と明言。「消費者の皆さんに多くの商品と今まで以上の価値を提供するのが私の使命。そのような責任のとり方を考えている」とした。
オリンパスでは一連の事態を受け、2012年3月期の中間決算発表を延期しているが「現時点では11月14日を一つのメドに取り組んでいる」とのことだ。
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