ソフトウェア大手のMicrosoftはついに、同社のモーションゲーム用周辺機器「Kinect」をサードパーティー製商用アプリケーション向けに公開する。
同社は米国時間10月31日、2012年初頭から任意の企業がKinectソフトウェア開発キット(SDK)にアクセスして、Windows向けの商用アプリケーションを作成できるようにすると述べた。トヨタやRazorfishなど200の企業が既に、パイロットプログラムの一環としてMicrosoftの商用SDKを利用している。
Microsoftは、商用Kinect SDKの正確なリリース日については明らかにしなかった。
商用SDKは、PC上でKinectを利用したいと考える企業らが長い間待ち望んできたものである。Microsoftは現在、非商用SDKを開発者向けに提供しているが、その利用は、研究活動および販売予定のないプロジェクトに限られていた。商用版のリリースによって企業はついに、Kinectを利用して開発したアプリケーションによって利益を上げることができるようになる。
MicrosoftのKinectは2010年11月に発売された。同周辺機器を使用することによってユーザーは、自分の体の動きのみによって画面上のアクションを制御することができる。しかし、同機器の発売直後に、一部の熱心な開発者らはKinectを別の方法で利用できることに気がつき、その動作検知機能を利用したいくつかのアプリケーションを開発した。Microsoftは2011年に入ってようやく、同機器のSDKのリリースによってこの動きを支援し始めた。
Microsoftの今回の動きによって、Kinectは同社事業において、これまでよりも格段に重要な要素になる可能性がある。実際、2011年に入ってMicrosoft ResearchのサイエンティストであるAnoop Gupta氏は米CNETに対し、「(Kinectは)意義深い事業になる可能性がある」と思うと述べ、同製品は「ハードウェアとソフトウェアの両方の機会」を開発者らに提供すると付け加えていた。
Kinect SDKは、間違いなく「Windows 7」上で動作することになるだろうが、「Windows 8」についてはどうだろうか? 現時点では、Microsoftは同プラットフォームが同社の次期OSで動作するかどうかについては明らかにしておらず、コメントを求めた米CNETに対しても直ちに回答しなかった。しかし、次期OSが2012年にリリースされる可能性が高いことを考えると、次期OSにも開発者らの関心を向けさせようとMicrosoftが考えるのは当然のことと思われる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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